3月決算の企業は、10年ちょっと前に国税庁ホームページで確認したところ、全体の2割程度です。多少変動しているかもしれませんが、今日で今期が終わる企業が一番多いです。
コロナで1年間本当に大変だったと思います。売上は減少するし、資金繰りや銀行融資でも苦労が絶えなかったでしょう。それに加えて感染防止対策もありましたから。3月決算の企業経営者さんお疲れ様でした。
今日訪問した顧問先も3月が決算月なのですが、1年間コロナの影響を受け続けたせいで、かなりボロボロな決算書になりそうです。
ただ、高い技術力を金融機関と信用保証協会が評価していることや、融資に必要な書類も迅速に提出できたので、かなり多めに資金調達ができました。
ようやく、工場内は機械がすべて稼働し、忙しくなってきたようでした。話を聞いてみると、これから仕事が出てくるとのこと。
通常であればこれから2か月以内に決算書を完成させ、申告書の提出と納税を済ませなければなりません。
すると決算書を作っていくうちに、「こんなに赤字が大きいとこれからの銀行融資に影響が出ないか心配」と考えてしまい、4月以降の売上を前倒しする等の粉飾を考えてしまう経営者さんがいるかもしれません。
それはとてもよく理解できることではあります。しかし、コロナの影響が1年続いているわけです、無理な調整というか粉飾をする必要はないでしょう。
リーマン・ショックや東日本大震災の時がそうでした。減少した売上を架空計上した企業からのご相談が急増しました。
売上が大幅に減少したからといって無理に黒字を装うと、確かに決算書の内容はよくなります。しかし、本来払う必要のない税金が発生し資金繰りを悪化させますし、事業が影響を受けているはずなのに決算内容が良すぎれば、粉飾決算を疑われかねません。
もちろん各企業の置かれた立場もありますが、前倒しや架空で売上を計上するくらいなら、(当たり前のことですが)本当の数字で決算書を作成した方がいいと思います。それに粉飾して融資が出なかったら最悪ですよ。
そして、4月以降は順調に立て直しが進んでいることを、試算表を使って説明していくほうがいいでしょう。
決算書は通常なら昨年4月から3月までの1年間をまとめた数字になっていますが、ぜひその1年間の間に業績が回復傾向にあることが明らかなら、5月以降に決算書を提出する際、月別の収支が分かる資料も出してください。
このブログで少し前に申し上げましたけど、今日訪問した顧問先の経営者さんも、取引銀行担当者から4月以降は審査が厳しくなると言われたとのこと。経営改善も必要ですが、それを支えてくれる金融機関との良好な関係も不可欠です。