3月決算の企業は通常、今月中に申告と納税をしなければなりません。おそらくほとんどの企業が決算書はできあがったことでしょう。資金繰りから納税はまだという企業もあるでしょうけど。
前期と比較していかがだったでしょうか。良かったですか、それとも悪かったでしょうか。
良かったとしたら、黒字になった、売上が伸びた、粗利益率が改善された、固定費が減ったなどが前期と比較することで分かるでしょう。もし悪かったとしたらそれらの逆になっているでしょう。
さらになぜそうなったのか確認してみましょう。例えば、仕入先の見直しにより原価率が下がり利益率が改善された、営業担当社員を増やした効果により売上が増加したとかです。「何だかよく分からないけど、いい結果になっていた」ではダメです。
良い結果なら問題点の改善策を実行した結果だと説明できますし、悪い結果でしたら原因とそれに対する今後の改善策を説明し、次の決算書では改善された効果が表れると説明しましょう。
「黒字だった」や「赤字だった」とだけ言って決算書を渡すようなことはせず、なぜその結果になったのか、今後はどうしていくのか、そして数字はどうなる見通しなのかを金融機関には伝えてください。
金融機関の担当者はそのような説明を聞きたいのです。もし「うちの会社はどう説明したらいいのかよく分からない」とお悩みでしたら当社にご相談ください。
それと申告が終わってしばらくすると、信用調査会社から連絡があるかもしれません。決算書の内容を教えてくれと。帝国データバンク、東京商工リサーチ等の信用調査会社です。各企業の情報を収集して点数で評価しています。
「協力する手間がかかる」あるいは「自社の数字を教えたくない」といった不安や不満はあると思います。しかし、金融機関はそのような情報を参考にしていますし、みなさんの会社と取引を開始する際、特に大手企業だと信用調査会社の情報を参照しているはずです。ということもあり、依頼があったら調査には可能な範囲で応じましょう。
金融機関もそれらのデータに企業情報が登録されることで、その企業の存在を認識することができます。登録されていないと、起業してからそれほど経っていないのか、信用できる企業なのかよく分からずマイナスに受け取られかねません。
金融機関は帝国データバンクで50点以上の企業を訪問する傾向にあります。しかし、信用金庫のように規模の小さい金融機関だと、点数の高い企業は大手銀行との競争になってしまうので、50点未満の企業をリストアップすることもあります。
また逆に、地方から東京に進出したある地方銀行は、地元では大きく融資を伸ばすことができないからと、東京で年商10億円以上、55点以上の企業をリストアップして、大きい金額の融資を推進していました。
決算書は法人税や消費税を計算するためだけにあるわけではありません。今後の経営改善や融資取引に活用するようにしましょう。