メインバンクを持つ

銀行融資において、昔はメインバンクが非常に重要な存在でした。

メインバンクが中心となり、取引先企業の資金繰りを支援したものです。経営が悪化してもメインバンクとの自覚と責任から最後まで支援しました。

メインバンクについて明確な定義はありませんが、取引金融機関の中で最も融資残高が多く、かつプロパー融資でリスクを受け入れつつ支援をしてくれ、さらにどこよりも最後まで支援を続ける金融機関となるでしょう。さらに最近は本業の支援や助成金申請支援などにも積極的なことが多いです。各企業によって金融機関に何を期待するかでメインバンクは異なるでしょう。ただ、やっぱりメインバンクには、積極的かつ安定的な金融支援を期待する経営者が多いのではないでしょうか。

しかし、今は金融機関がメインバンクとの認識がないし(自称、メインバンクが多い)、中小企業経営者もあまりどこかの金融機関をメインバンクと意識してお付き合いしていることも少ないようです。「条件の良いところと付き合う」「いつ裏切られてもいいように、広く浅く付き合う」、特に若い経営者に多い傾向です。

それでもメインバンクを持つ、あるいはメインバンクの自覚をもって支援してくれる金融機関とのお付き合いをして欲しいと思います。

■プロパー融資

メインバンクに希望する取引としてプロパー融資が挙げられます。プロパー融資とは、信用保証協会の保証を付けずに行われる融資です。信用保証協会の保証があれば、企業が返済できなくなってもリスクを回避することができます。代位弁済という手続きによって簡単に信用保証協会から金融機関に返済がなされます。だから金融機関は信用保証協会が好きなのです。

プロパー融資は信用保証協会の保証がありませんから、企業が返済できなくなれば損害は金融機関が負担しなければなりません。不動産担保があったとしても全額回収できないことも多く、かつ担保を処分して回収するのは手間と時間がかかります。回収リスクがあるので審査もしっかりと行うことになります。

したがって、優良企業や積極的支援先にしかプロパー融資はしたくないのです。

もしみなさんの企業が超優良企業でもないのに、プロパー融資で対応してくれている金融機関があれば高い評価をしてくれていると思います。メインバンクに選びたい金融機関です。

「そんなに悪い業績でもないのにプロパー融資をしてくれない」とお悩みであれば、ぜひ一度、担当者に相談してみるといいでしょう。次に該当する企業なら、プロパー融資のチャンスはあると思います。

・手持ち現預金に余裕がある
⇒短期的な倒産リスクは少ないですから強気に言えます

・金融機関から融資を提案してきた時
⇒向こうからお願いしているのですからこちらの希望を伝えやすいです

・業績が良好
⇒当然強気に行けますね。「税引後利益+減価償却費」がプラス、かつ債務償還年数が10年以内、そして債務超過でなければ可能性はあるでしょう。

しかし、そのような状況にあってもプロパー融資の相談に乗ってくれないようなら、そこはメインバンクとして期待できません。信用保証協会が新たな保証を出してくれなくても、メインバンクとしてプロパー融資を検討してくれる、そんな金融機関をメインバンクにしましょう。

■伴走支援

メインバンクになってもらう、あるいはメインバンクとしてお付き合いを続けるためには、この伴走支援的なお付き合いが重要です。簡単に言えば、自社の情報を包み隠さず公開し、金融機関の支援を受けるというものです。

例えば、3ヶ月に1回程度は試算表や資金繰り表を提出し業績を報告します。その中で現状あるいは今後の経営課題とその改善策を報告、金融機関にも協力を求めるのです。

隠し事をせず定期的なコミュニケーションが増えることで信頼関係が生じますから、金融機関も適切なリスクを取って支援することができます。

金融機関は資金を引き出す交渉相手と考えがちです。だから不都合なことは隠したくなります。それよりも資金繰りも含めた相談相手としてお付き合いされた方が、お互いにメリットがあると思います。

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