取引金融機関の数が多すぎる

取引する金融機関の数が多ければ多いほど、どこかが融資をしてくれそうで、何となく安心な気持ちになるかもしれませんが、度を越えた取引数はかえってデメリットが大きいといえます。

取引金融機関の数が多すぎると次の問題があります。

(1)深い関係にならない

極端な例ではありますが、預金口座は10行もあるけど、融資はそのうち3行しかないとしたら、金融機関は次のように考えるかもしれません。

「一つの金融機関と長く付き合うことができない経営者なのだろうか」

よく融資を断られたなど気に食わない対応があった、または粉飾決算がバレたなど関係が悪化して、取引を他行に変更する経営者は時々います。その結果、預金口座だけがたくさんあるのです。

全く取引のない金融機関担当者から見ると、「いろんなところと付き合いたがるようだ。新規の取引がしてもらいやすそうだ」となりますが、取引のある金融機関担当者からすると、「すぐに他行に移ってしまう可能性のある企業」と見えるでしょう。

もしこの企業が、すべての金融機関10行と融資取引があったとすると、それでは取引内容が薄くなってしまいます。

金融機関からの借入金残高が合計1億円あったとしましょう。さすがに1行取引では危険ですから、2行と取引をすれば平均5千万円です。メインバンクが6千万円、もう一行が4千万円なら、信用金庫・信用組合や規模の小さい地方銀行ならまあまあの取引先でしょうか。

それが10行と取引したら1行あたり平均1千万円です。これでは金融機関としては利息収入そして手数料収入はあまり期待できないでしょう。

業績が好調なら多くの金融機関が営業に来てくれるでしょうが、そこまでではないとしたら、あまりうまみもない小さな取引先と見なされ深いお付き合いは期待できないと思います。深い関係にならなければ、金利引下げ、担保や保証面でこちらの都合のいい条件を引き出せないことも多くなります。

(2)いざという場合に面倒

業績が悪化してリスケジュールをお願いしなければならなくなった時、取引金融機関が多いと対応だけで大変です。

1行ずつリスケジュールの依頼をして同意を得るわけですが、それでは面倒だし、数が多ければ一つぐらい「他行さんは同意しても、当行はリスケジュールに応じません」と言ってくる可能性があります。

だから取引金融機関が多い時はバンクミーティングを開催することになります。企業と全金融機関が集まった席で経営者が今後の経営改善について説明する会議です。メインバンクを中心に金融機関がまとまることが多いけど、数が多ければそれだけ非協力的な金融機関が出てくる可能性はあるのです。

メインバンクは融資残高が多く担保や保証協会の利用も多いでしょうから、リスケジュールに同意して支援することにメリットはあるでしょうが、融資残高が小さく保全面が弱い金融機関はリスケジュールなんてせず、約定弁済を続け早く完済して欲しいと考えることだってあります。

最終的にはすべての金融機関が同意してくれるにしても、時間がかかれば経営再建が遅れることになります。時間切れで倒産だってあり得るのです。

リスケジュールだけではありません。毎年の決算書提出や決算内容の説明も多ければ面倒です。

だからあまり融資取引する金融機関の数は増やし過ぎないことも大切です。

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資金繰りや銀行融資のコンサルタントをしています。このブログではこれまでの業務で経験したことを書いています。

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