資金繰り

リスケジュールで注意すること

融資が金融機関から出ないと明らかになったら、「リスケジュール(以下リスケ)で毎月の返済を軽減してもらおう」と考えるわけですが、基本的には応じてもらえる可能性が高いと思います。

こちらは金融庁HPにある銀行の「貸付条件の変更等の状況について(令和2年3月10日から令和3年2月末までの実績)」です。このように現時点では銀行の実行率は極めて高いです。なお、信用金庫や信用組合も99%台です。ただ、これからリスケをお願いするにあたり、注意すべきこと、そして必要書類があります。

(1)余裕を持っての依頼

最後まで自社で何とかしようとしたが、どうしようもできなくなってからリスケの依頼をする企業が現実的には多数です。リスケをしたら新規融資が当面期待できない等の理由から仕方のないことではあります。しかし、金融機関の立場としては、行内の手続きや信用保証協会の承認も必要ですから、余裕を持って行動した方がいいでしょう。

ギリギリで依頼して来られると、ここで支援に応じても資金繰りがもたないのではと思われてしまいます。

それと、融資を受けたばかりでのリスケ依頼はやめましょう。その融資額で当面の資金繰りが持つと考えて金融機関に依頼しているわけですから、気持ち的には騙されたとなるでしょう。リスケが困難になる、応じてくれたとしても難航することが予想されます。明確な基準があるわけではありませんが、どんなに早くとも半年、できれば1年は経ってからの方がいいです。

なお、金融機関への返済を優先させて、税金や社会保険料、あるいは諸経費の支払いが遅れることのないようにしてください。そうなっていたら直ちにリスケをしてそれら支払いを優先しなければなりません。

(2)資金繰り表の作成

このまま返済を続けていけば、いつ現預金残高がマイナスになるのか、そして返済をストップあるいは軽減することで、当面の残高はプラスで推移できるのか、それを説明するためにも相談時に資金繰り表はあった方がいいでしょう。

「あった方がいいでしょう」と書きましたが、基本的には必要です。ただ作成に手間取り時間がかかるようなら、とりあえず金融機関にリスケの依頼をすることが先となります。

(3)粉飾決算をしたなら伝える

資金繰りが苦しい企業では、粉飾決算をしていることが非常に多いといえます。

決算書の内容が悪ければ融資が出ないのではとの不安から、(金融機関を騙したくはないけど)やむを得ず手を出してしまうのは非常に理解できます。

ただし、リスケを依頼するタイミングで過去の粉飾内容は伝えるべきです。次の(4)とも関連しますが、リスケ中に返済が再開できる企業となるよう経営を立て直すわけですから、自社の財務内容の実態を報告する必要があるのです。その実態に基づいて経営改善計画を策定します。

今のところ当社でお手伝いした顧問先は、すべて粉飾内容をオープンにしても支援を受けることができました。しかし、必ずしもそうならないこともありますから、金融機関に伝える際は注意してください。

(4)経営改善計画書の作成

金融機関の立場としては、「リスケに応じてあげるけど、それで当行にはメリットがあるのか」と考えます。単なる延命なら時間をかけて支援するよりも、信用保証協会に代位弁済するなり、担保不動産を処分した方が手っ取り早いでしょう。

そう判断されないよう、企業はリスケに応じることで自社の経営立て直しに成功し、返済が順調に進むということを経営改善計画書で説明する必要があるのです。

しかし、本格的な経営改善計画書をすぐに作成することは容易ではありません。リスケのお願いに行ったときに提出できればいいですけど、時間的に難しいかもしれません。

その場合、例えば「経営改善計画書を〇月までには提出するので、とりあえず6か月の返済ストップをお願いします」と依頼するのです。そして完成した計画書を全金融機関に説明して、今後の業績見通しや返済予定額を伝えるようにします。

リスケは金融機関と当初約束した返済条件を変更してもらうことです。企業側の都合で約束が守れなかったわけですから、役員報酬が高額なら減額するなどの企業努力も必要となるでしょう。

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