中小企業支援制度

資本性借入金のアクセス増加

当社ホームページの「資本性借入金」へのアクセスが増えています。

6月12日に成立した令和2年度第2次補正予算にある「中小企業向け資本性資金供給」が原因でしょう。

出典:経済産業省「令和2年度第2次補正予算の事業概要」より

この中で「一般的に財務状況が悪化した中小企業等に対して、日本政策金融公庫等及び商工組合中央金庫が、民間金融機関が資本とみなすことができる長期間元本返済のない資本性劣後ローンを供給します」と説明があります。

資本性借入金あるいは資本性劣後ローンとは、会計上は借入金として負債に計上されるのですが、金融機関が企業の財務状況等を判断するにあたって、負債ではなく資本とみなすことができる借入金です。

中小企業の大半は、金融機関からの資金調達に依存しています。そして資金調達が成功すれば、決算書の貸借対照表には負債の部分に計上されます。しかし、この資本性劣後ローンあるいは資本性借入金とよばれる借入金は、資本と見なすことができるというものです。したがって、金融機関の立場としては、財務内容が改善された企業としてプラスに評価することができます。

■なぜそれが可能なのか

なぜそのようなことが可能かといえば、資本性劣後ローンの「劣後」という言葉がカギとなります。

もし企業が倒産したら、残った資産を売却して債権者に分配することになるのですが、劣後ローンはその順位が低いのです。金融機関が貸出した債権よりも、この劣後ローンのほうが順位は後回しとなります。企業が倒産しても回収可能性が極めて低く、資本金に近い資金であることから、「資本性」「劣後」という名称が付けられ、貸借対照表では資本と見なしていいということなのです。

■返済条件

償還期間が5年を超えるものであり、かつ期限一括償還が原則です。先ほどの資料でも、期間は5年1カ月、10年、20年、どれも期限一括償還です。

■利率に付いて

利率についてもやや特殊です。株式なら業績が良ければ高配当が、悪ければ無配になることもあります。それと同じで、利益が大きくなるほど支払利息が増えるようになります。

ちなみに、これは日本政策金融公庫国民生活事業の「挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)」の利率表(2020年6月24日現在)です。

売上高減価償却前経常利益率が5%を超えると、通常の銀行融資の利率よりかなり高いですね。

■メリット

メリットは先ほど申し上げたように、期限一括償還なので資金繰りは安定します。また、民間金融機関からは自己資本と見なしてもらうことで、追加の融資を受けやすくなる可能性があります。

■デメリット

名称は資本性と付いても、(当然ですが)借入金に違いはありません。いつかは返済しなければなりません。金融庁が金融検査においてこの借入金は資本とみなしていいというだけです。

また、期限一括償還で資金繰りが改善されるのはメリットではありますが、返済期日にそれだけの資金を用意する必要があります。

■利用は容易ではない?

コロナウイルス被害を受けている中小企業は、政府系金融機関や、民間金融機関からセーフティネット保証4号や5号あるいは危機関連保証を利用して資金調達していますが、それと同じようにこの資本性借入金を容易に調達できるとは考えないほうがいいと思います。これまでの経験でいえば、利用できる企業はかなり限られていました。

まだどうなるか分かりませんが、あまり過度な期待は持たれないほうがいいと思います。

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