中小企業向け資本性資金供給

5月27日(水)に閣議決定した「令和2年度第2次補正予算案等における金融支援策」が公表され、資金繰り対策として引き続き、日本政策金融公庫・商工中金等による実質無利子融資の継続・拡充、民間金融機関を通じた実質無利子融資の継続・拡充が行われます。

セーフティネット保証・危機関連保証を利用した実質無利子融資については、上限が3,000万円から4,000万円に拡充されます。

日本政策金融公庫等による実質無利子融資についても以下のとおり拡充されます。
・融資限度額:国民事業8千万円(拡充前6千万円)、中小事業6億円(拡充前3億円)
・利下げ上限額:国民事業4千万円(拡充前3千万円)、中小事業2億円(拡充前1億円)

なお、セーフティネット保証4号については、新型コロナウイルス感染症の当初指定期間は6月1日までとしておりましたが、3か月延長し9月1日となりました。

■中小企業向け資本性資金の供給

さらに中小・小規模事業者向けの資本性資金供給・資本増強支援が含まれました。

新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業に対して、出資等を通じた資本増強策を強化することで、スタートアップの事業成長下支えや事業の「再生」により廃業を防ぐとともに、V字回復に向けた「基盤強化」を図るのが狙いです。

具体的には、コロナウイルスにより一時的に財務状況が悪化した中小企業等に対して、日本政策金融公庫及び商工組合中央金庫等が、民間金融機関が資本と見なすことのできる長期間元本返済が発生しない資本性劣後ローンを供給するというものです。

・資本性劣後ローン

新型コロナウイルス感染症の影響により、キャッシュフローが不足するスタートアップ企業や、一時的に財務状況が悪化し企業再建等に取り組む企業に対して、民間金融機関が資本とみなすことができる期限一括償還の資本性劣後ローンを供給することで、民間金融機関や投資家からの円滑な金融支援を促しつつ、事業の成長・継続を支援します。

主な貸付条件は以下のとおりです。経済産業省「新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ」より。

これを見ると、当初3年間及び4年目以降赤字なら利率は低く、4年目以降黒字なら高い利率が書かれています。これは資本金に近い融資だからです。

株式投資なら、企業業績が良ければ多くの配当が得られ、悪ければ少ないあるいは無配になることはご存じでしょう。それと一緒です。業績が良ければ配当である支払利息は多く、悪ければ少なくするよう設定されているのです。

金融庁は過去にも、資本性借入金の利用拡大を狙い、金融検査マニュアルを改定したことがありました。しかし、思うように利用拡大には至りませんでした。当時、当社ホームページでも「資本性借入金」ついて書いております。

今回の日本政策金融公庫等を利用したこの資本性劣後ローンを受けられる中小企業は増えそうです。もちろん予算が確保されているのもありますが、長期にわたる資金繰り支援が必要な中小企業は多いですから。

ただ、どんな企業でも該当するわけではありません。コロナウイルスの影響が落ち着けば業績回復が可能な企業は該当しますが、影響前からずっと赤字続きのような企業では該当しないでしょう。

・企業側のメリット

1、資金繰りの改善
融資期間は5年超であり、期日一括償還であるため資金繰りは楽になります。

2、金融機関からの融資が受けやすい
借入金ではありますが資本と見なすことが認められているので、財務内容は改善され新規融資は受けやすいといえます。

3、業績に連動した利率
配当金のように業績に連動して利率が決まるのは大きなメリットでしょう。

 

※なお、ここに書きました貸付条件等の内容は、令和2年度第2次補正予算の成立を前提としているため、今後変更等される場合があります。

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