金融庁、銀行のプロパー融資点検へ

本日の日本経済新聞に次のタイトルの記事がありました。

金融庁、銀行の「自前融資」点検へ 資金繰り支援で

ここでいう自前融資とはプロパー融資のことですが、政府は新型コロナウイルス感染症の影響で苦しむ中小企業への支援策として、日本政策金融公庫による貸し付けに加え、信用保証協会による支援策を拡充した結果、民間金融機関から保証協会付き融資が受けやすくなりました。

ただ、その多くは信用保証協会が金融機関に対して100%保証する制度が中心であり、自らがリスクを取って取引先企業の資金繰りを支援となると。躊躇する事例も増えています。

金融庁はリスクのない融資ばかりに熱中しないで、一定のリスクを取りながらも取引先企業の資金繰りを支援しているか、今後チェックしていくということですね。

当社顧問先でもありました。売上が前年と比較して5%以上は減少したものの15%や20%以上は減少していませんでした。そうなると、80%保証のセーフティネット保証5号は対象になるけど、100%保証のセーフティネット保証4号や危機関連保証の対象外です。

D一信用組合と朝〇信用金庫は80%でも支援すると言ってくれたそうですが、S信用金庫は100%保証がしばらく難しいと知った途端、来なくなりました。

各金融機関がどれだけプロパー融資を使って支援しているのか、参考になる資料が中小企業庁にあります。中小企業庁HP「保証実績の公表」をご覧ください。

ここで「金融機関別の保証実績」があります。令和元年上半期を見てみましょう。

一番上から、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行と並んでいます。そして、一番右に行くと「保証承諾案件の申込時プロパー融資状況」とあります。

これは割合が高ければ、それだけプロパー融資の割合も多いのですから、金融機関はリスクを負って融資をしていることになります。

みずほ銀行は16.3%、三井住友銀行は50.8%ですから、これだけを見ると三井住友銀行の方がリスクを取って対応してくれているといえます。

次は中小企業をメインとしている金融機関を見てみましょう。3枚目に神奈川県の信用金庫があり、横浜信用金庫・川崎信用金庫と大きな信用金庫があります。

横浜信用金庫は36.8%、川崎信用金庫は20.8%、横浜信用金庫の方が地元中小企業へ自らもリスクを負いながら融資をしているといえます。もちろん営業地盤が違いますし、それだけで川崎信用金庫が劣っているということではありません。

5枚目に高知信用金庫があります。ここは21.2%と非常に低いです。それに保証債務残高(平均)を見ると、件数は433件、うち100%保証が358件、金額は1,544百万円、うち100%が1,015百万円です。件数では82.7%が、金額では65.7%が100%保証と非常に高いのです。

プロパー融資はやらない、保証協会付き融資をするにも100%、これでは中小企業融資に消極的と言わざるを得ません。集めた預金は地元に融資するよりも、株式や社債で運用するのがお得意なようですから、仕方がないのでしょうけど。

こういう資料も参考にしながら、取引金融機関の地元中小企業への融資姿勢が他行と比較してどうか、近くにもっと積極的な金融機関はないか確認してみるといいでしょう。

いつも信用保証協会、しかも100%保証しか提案してこない原因が自社にあるのなら、仕方がないかもしれません。しかし、資金調達の順序としては、難易度の高いプロパー融資、その次に保証協会付き融資です。ぜひこのような資料やディスクロージャー誌を参考にしながら、今後お付き合いしていく金融機関を考えてみましょう。

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