銀行融資

コロナが落ち着いたら審査は慎重に

新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言によりゴールデンウイークは外出自粛が続き、景気は大きく悪化し、企業の業績にも悪影響を及ぼしています。

日本政策金融公庫や商工中金からの融資、民間金融機関からの信用保証協会付き融資による資金調達は混雑しています。ただ関係者の努力により徐々にですが進んでいます。当初必要と言われた面談を電話対応にするなど。

コロナウイルスは台風や地震と同じで、どんな優秀な経営者でも予想ができませんし、普段から備えておくというのは無理でしょう。仮に影響は半年続き、売上は半減するとしたら、ほとんどの中小企業が手持ち資金だけで存続することは不可能かと思います。助成金だけではなく新たな融資を受けなければなりません。

平時に戻るのがいつか全く分かりませんけど、減少した現状の売上でも半年は資金繰りが持つ程度の余裕は欲しいところです。

「いつ落ち着くか分からない。それなのにこんなに借りてもいいのだろうか」と不安になる経営者は多いと思います。売上増加に伴う資金需要とか前向きな目的で融資を受けるならいいのですが、その逆ですからね。

確かにそうなのですが、ただ経営者が手持ち資金を投入するか、誰かが出資でもしてくれない限り、これからも事業を継続するには金融機関からの融資に頼らなければなりません。

「こんな非常時なのに融資が出なかった」という経営者の書き込みをネットで見ることがあります。当社の顧問先で今のところ資金調達できなかった企業は今のところありません。ただ、通常なら融資は出ないだろうなという企業もあります。

政府系金融機関や信用保証協会は、公的機関として高いリスクを覚悟でやっているからです。民間金融機関でもセーフティネット保証5号なら2割のリスクがありますし、プロパー融資でも対応するケースもあります。

迅速な審査のために簡素化されていますし、返済期間や据置期間は通常より長期となるケースが多いわけです。今後の倒産増により金融機関は貸倒損失の増加が避けられません。

それにこういう危機的状況でも、それに対応した融資ですから実行されやすいのですが、しばらくして落ち着き始めると今度は慎重な姿勢に変化してきます。なぜなら、当初は中小企業の資金繰り悪化による倒産増の抑制を目的としていますが、支援の件数・金額がある程度進むと、その後は貸倒損失の増加を懸念して審査が慎重傾向になるからです。

したがって、「そこまで借りる必要はないかな」と思っても、落ち着くのがいつなのか分かりませんし、長期的には融資が難しくなっていくと考えたほうがいいですから、余裕を持って融資を受けておきましょう。

「多めに融資が出たので、金利が少し高い他行の借入金を返済したほうがいいでしょうか」と質問をいくつか受けたのですが、それはコロナウイルスが落ち着いて本当に不要な資金だと明らかになってから返済するようにしてください。

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近代セールス2020年5月15日号に執筆記事が掲載次のページ

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