中小企業経営

粉飾決算に頼りたくなるかもしれませんが

ウイルス問題は景気にも大きな影響を与え、深刻な状況になってきました。売上が急激に減少してくると、粉飾決算を考える経営者が少なくありません。

実際、リーマンショックや東日本大震災の時がそうでした。粉飾決算でその場をしのごうとする中小企業が非常に多かったのです。それが原因で、取引銀行から粉飾を疑われて新規融資が出なくなってしまった、とのご相談が増えました。

大震災が発生してしばらくした頃です。「相談したいことがあるので会ってもらえませんか」とのお電話が。会ってみると大震災の影響で一番の売上先が倒産し、多額の貸倒損失が発生していました。それでは融資が出ないだろうからとメイン行の担当者に相談したそうです。

すると、担当者から「大赤字ならそれを消すだけの売上を架空でいいから計上して利益を出せばいいじゃないですか」と信じられないことを言われ、悪いことだとは思ったけども銀行員が言うし、資金繰りのためだからと、税理士と一緒にそれを実行したのでした。

確かにその銀行から融資は出たのですが、それ以外の金融機関からは「決算書の内容で確認したいことがあるから支店に来るように」と言われてしまい、そのタイミングで私に「粉飾がバレたようなのですがどうしたらいいでしょうか」とのご連絡だったのです。

でも、もうそんな時に言われてもどうしようもできません。結局は廃業されました。

稀にとんでもない銀行員の話を聞くことがあります。自分の営業目標のためにそんなことを言ってくるだけですから、そんな話には乗らないでください。

粉飾決算により融資を受けて、リーマンショックや大震災をとりあえず乗り切った企業もありました。しかし、自社の規模に見合わない借入金が負担となり、お手伝いを始めたころには再生が困難となっていることが多かったですね。

セーフティネット保証4号や5号あるいは公庫のセーフティネット貸付は、売上高が減少している中小企業者が利用できる制度です。4号は信用保証協会が100%保証しますから、金融機関も融資がしやすいのです。したがって、粉飾は不要です。

金融機関を騙して融資を受けるようなことはやめましょう。金融機関からの信頼を失いますし、借入金の返済が負担となり今後の経営を圧迫します。

それと、日頃お付き合いされている金融機関は、企業のどこを見て融資をしていますか。決算書しか見ない、あるいは信用保証協会の保証にしか関心がない、そんな金融機関ならお付き合いを見直したほうがいいです。

中小企業は経営基盤が脆弱ですし、外部環境の変化によって黒字にも赤字にもなりやすいのが特徴です。決算書しか見てくれない金融機関が相手では、粉飾したくなりますよね。

決算書という過去の結果だけを見て評価するのではなく、企業の特徴というか強み、そして今後の見通しを見て対応する、あるいはプロパー融資で自行庫もリスクを負って融資をする、そんな金融機関を見つけ付き合っていきましょう。

粉飾で見栄えのいい決算書にすることに力を入れるぐらいなら、たとえ今は赤字でも今後の経営は改善していくことを説明できるようにしてください。

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