資金繰り

非常時の資金調達

自社は頑張っていても、外部の影響を受けて業績が悪化することもあります。そんな時でも支援を惜しまない金融機関もありますが、融資姿勢が消極的になってしまうこともあります。その場合、次の制度や方法によって資金調達ができないか確認してみましょう。

■セーフティネット保証
災害によって被害を受けている、自社の業種は業況の悪化している業種に属している、大型倒産事業者に対して売掛金等債権を有し資金繰りに支障が生じている、取引金融機関が破綻したなど、これらが実際に発生したら中小企業には大きな影響を与えることが想定されます。

そんな影響を受けている中小企業を支援する公的制度として、セーフティネット保証制度があります。具体的には以下の1号から8号に該当する場合は資金調達できる可能性があります。

1号:連鎖倒産防止
民事再生手続開始の申立等を行った大型倒産事業者に対し、売掛債権等を有していることにより資金繰りに支障が生じている中小企業者を支援

2号:取引先企業のリストラ等の事業活動の制限
生産量の縮小、販売量の縮小、店舗の閉鎖などの事業活動の制限を行っている事業者と直接・間接的に取引を行っていること等により、売上等が減少している中小企業者を支援するための措置。

3号:突発的災害(事故等)
突発的災害(事故等)の発生に起因して売上高が減少している中小企業者を支援するための措置。

4号:突発的災害(自然災害等)
突発的災害(自然災害等)の発生に起因して売上高等が減少している中小企業者を支援するための措置。

5号:業況の悪化している業種(全国的)
(全国的に)業況の悪化している業種に属する中小企業者を支援するための措置。

6号:取引金融機関の破綻
破綻金融機関と金融取引を行っていたことにより、借入の減少等が生じている中小企業者を支援するための措置。

7号:金融機関の経営の相当程度の合理化に伴う金融取引の調整
金融機関の支援の削減等による経営の相当程度の合理化により、借入れが減少している中小企業者を支援するための措置。

8号:金融機関の整理回収機構に対する貸付債権の譲渡
RCC(整理回収機構)へ貸付債権が譲渡された中小企業者のうち、事業の再生が可能な者を支援するための措置。

利用する可能性があるとしたら、4号と5号が多いかと思います。

これらの制度は一般の信用保証枠とは別枠です。以前、金融機関から「もう御社は保証枠を使い切っているので新たな保証は出ませんよ」と言われていたとしても、資金調達できる可能性が残されています。

もちろん大型倒産の影響を受けたり、売上が減少していたりすれば、それだけ金融機関や信用保証協会はリスクが高いわけですから、今後の見通し等を十分に審査されることにはなるでしょう。

それにこの中では比較的よく利用される5号は、かつて100%保証だったものが現在では80%に見直されました。よって信用保証協会は保証を出しても、金融機関が20%のリスクを嫌って融資しない可能性もあります。

ただ、このような制度があるのだなと覚えておいてください。もしかしたら今後困ったときに役立つかもしれません。

なお、この制度を使う場合、法人なら登記上の住所地や事業実態のある事業所の所在地の市区町村商工課に行き、認定申請書を提出し認定を受ける必要があります。したがって、通常の保証協会付き融資よりも日数を要しますから余裕を持って行動しましょう。

詳しい内容については中小企業庁HP「セーフティネット保証」を参照してください。

■セーフティネット貸付
日本政策金融公庫は経営者の多くがご存知でしょう。日本政策金融公庫でも次のセーフティネット貸付を行っています。
・経営環境変化対応資金:売上が減少するなど業況が悪化している方
・金融環境変化対応資金:取引金融機関の経営破たんなどにより、資金繰りに困難を来している方
・取引企業倒産対応資金:取引企業などの倒産により経営に困難を来している方

昔は職員の当たりはずれが大きかったですが、今は私の経験上そういうことがほとんどありません。企業の将来性をしっかり審査してくれる可能性が高いので、民間金融機関があまり積極的でない時は頼りになる可能性が高いと思います。

できれば、普段から融資取引の1つとしてお付き合いされるといいでしょう。

セーフティネット貸付について詳しくは日本政策金融公庫のこちらのページから確認してください。

 

■ノンバンク
公的・民間金融機関どちらからも支援が得られない、でもせっかくいい仕事を受注できたのに材料などの先行する支払資金がない、そんなケースもあるでしょう。もし売上先が優良企業で入金に懸念がなく、かつ3か月程度で返済が可能なら、相談してみる価値はあると思います。

あるノンバンクの方に聞いた話ですが、決算書も大切だけど、経営者個人の信用情報に傷がなければとりあえず審査は進むとのこと。なので、どんなに良い決算書でも信用情報に大きな傷があれば無理ということでした。

ただし、無担保の場合はあまり高額な資金調達には向いていません。

それと、ノンバンクで借りて金融機関への返済を続けようとする方がいまだにいますけど、それは絶対にやってはいけません。あくまで前向きな資金使途と返済原資がしっかりしている場合に限定しましょう。

 

■リスケジュール
どう頑張っても金融機関からの支援が得られない、今後もしばらくは難しいことが明らかになったら、リスケジュールを依頼して返済をストップさせてもらいましょう。

毎月の返済を抑えるということは、返済額分だけ資金調達していることになります。

それで捻出できた資金で買掛金や給料の支払いに充てることはできます。あるいは手持ち資金を増やして資金繰りを安定させることもできます。しかし、一度に多額の資金調達が必要な場合には向いていません。

建設業などで大きな資金の出入りがある仕事の場合は、手持ち資金が枯渇した状態でリスケジュールしたのでは遅すぎます。もっと早めに対策を取っておく必要があるでしょう。

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