資金繰り

返し渋り

昨年秋頃からでしょうか、「業績が悪化して、毎月の返済額がかなり負担になっている」とのご相談が増えてきました。それまではもう少し前向きなご相談が多かったような気がしますが。

返済能力以上に返済が進み手持ち資金が減少しているのなら、ますはその分だけでも取引金融機関に融資をしてくれないか相談しましょう。しかし、希望する結果が得られないかもしれません。そうなればリスケジュールをしたいと申し出ましょう。

リスケジュールをすると融資が出なくなると不安になる方がいます。確かに気軽に申請するべきではありませんが、担当者からしばらくは出ないと確認できたのなら、返済をストップすることで実質資金調達をするようにします。

金融機関への返済順位は一番下です。それよりも優先すべきは税金や社会保険料です。そしてそれよりも人件費、仕入れなどが優先です。

税金を放ったらかしにして返済を優先するのは避けてください。返済はある程度待ってくれても税金はそれほど待ってはくれません。それに早期解消が不可能な未納額になれば、金融機関も更に支援がしづらくなります。延滞税もバカになりませんから、絶対に税金が優先です。

よく「税金を滞納したけど免除になった」とか「そんなにうるさく言ってこないよ」と昔話をする経営者がいます。昔はそうだったとしても今は厳しいです。10年以上も前の話ですが、顧問先が市税を滞納していました。経営改善をお手伝いし始めて3年程度経った頃でしょうか、本税の支払いがかなり進んできた頃、市役所職員から「残りの本税を一括で支払ってくれたら延滞分はもういいですよ」と言われました。でも別の顧問先が最近、同じ市役所で市税の未納があったのですが、全くそんな話に応じてはくれなかったと社長が言っていました。

「借りたものは返さなければならない」、誰でもそう教わったはずです。それは正しい。しかし、限られた手持ち資金ですべての支払いや返済が困難なら、どれを優先して、どれを待ってもらうか決めなければなりません。

まずは事業を維持するのに必要な、人件費、仕入や外注先への支払い、自社を維持するために必要な諸経費が優先で、その後は税金や社会保険料、最後が金融機関への返済です。利息は諸経費と税金の間に位置するでしょう。

貸し渋りという言葉があります。金融機関には申し訳ないですが返し渋りをさせてもらい、少しでも資金繰りの悩みを落ち着かせて経営改善に集中できるようにしてください。

金融機関すべてが積極的支援の姿勢とは限りませんが、リスケジュールに応じてくれることで経営改善が進む根拠や自信があるのでしたら、「リスケジュールに応じてくれることで、自社の経営が改善され返済が再開できます。今ここで自社の支援を打ち切って回収に走るよりもメリットは大きいですよ」と説明しましょう。

なお、金融機関への返済のために高金利で資金調達することは絶対にやめてください。ネットで検索すると他の専門家の方もそうおっしゃっているはずです。でも手を出す経営者が本当に多い。

ノンバンクやファクタリングで資金調達をし、さらに税金も税務署には相談せず放っておく、そこからの再生は極めて難しいです。

支払や返済が負担となってきたら、今後の資金繰りを考えてみましょう。そして金融機関との交渉次第ではリスケジュールも考えましょう。

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