中小企業経営

決算書に載っていない自社の強み

決算書には貸借対照表と損益計算書があります。そこには期末時点の財政状態と一会計期間の収支状況が記載されています。

いくら売り上げたのか、いくら仕入れたのか、銀行から借入れをしていくらの自動車を購入したのかなどの金銭的なやり取りをまとめたものであり、金融機関はその結果である決算書の数字を使って財務分析を行います。例えば自己資本比率が高いということは、「資本金や過去に生み出した利益が多くある安全性の高い企業だ」という具合です。

でもそのような企業になるのにはそうなる自社の強みがあるはずです。「そんなのないよ」と謙遜される経営者もいらっしゃいますが、例えば次のようなものはないでしょうか。

1、取引先
販売先に優良企業や今後の成長が期待される企業が多く取引金額も安定している、こういうのは数字で見えない強みです。決算書の後にある内訳書には期末時点での売掛金や受取手形の残高が記載されますが、もし期末時点では残高がないとしたら年間の取引金額を伝えるといいでしょう。

2、従業員の定着率
一般的には定着率は高い方が経営は安定します(逆にそれが問題となるケースもありますが)。実際、付き合いのある(あった)企業で、採用しても1年持たずにみんな退職する企業は間違いなく業績が悪いですから。給与面などの条件だけでなく、社員が能力を発揮しやすい環境を提供すれば、社員も前向きに仕事ができるし、経営結果にもそれが反映されるはずです。

特に最近は人手不足による業績悪化や倒産が問題になっています。今後の売上予想を説明する際にも、定着率の高い企業なら一人当たりの売上も予想しやすいでしょう。

3、メディアへの掲載
メディアといっても大手のテレビや新聞ばかりではありません。業界新聞に自社のサービスなどが紹介されたというのは強みとしてアピールできます。

4、技術力や特許権など
金融機関が技術力を見極めるのは難しいでしょうけど、大手企業などから採用されていればそれ相応の技術力があるでしょう。もしそのような取引がないとしても、自社の技術力に自信があるのなら、画像を用いた説明資料を作成して提出するのもいいでしょう。

また、当社の顧問先に特許をいくつか取得した企業があります。残念ながら全くお金になっていませんけど。新商品開発のために努力している企業をマイナス評価することはありませんから、(企業秘密もあるでしょうから)可能な範囲で取組内容を説明しましょう。

5、経営者の経営能力
なかなか評価が難しい項目ですし、経営者が自身の能力をアピールするのは恥ずかしいですし遠慮してしまうかもしれません。しかし、これまで経営トップとして取り組んできた経営改善や新規事業などの事例を用いて説明するのはいいことだと思います。

このような内容は数字で表せないので決算書には出てきません。したがって、自社で取引金融機関に説明して理解してもらう必要があるのです。

決算説明をするのはとても良いことですが、金融機関はこれらに気が付きにくいので、そのような場で付け加えるようにしてください。

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