家族のことも考えて事業継続か廃業の判断を

もう15年近く前の事です。

税理士事務所に勤めていた時の顧問先なのですが、何年も売上が計上されていないのに、若干の経費だけが発生している企業を担当しました。税金は法人税や消費税は発生せず、7万円の均等割りだけです。

貸借対照表を見ると現預金残高はほとんど0円なのですが、経営者からの借入金が1億円程度ありました。その会社を立て直そうと個人資金を投入し続けてきたのですが、もう手持ち資金はなく夫婦二人の年金で何とかやりくりされているようでした。

ある事業を千葉県で始めようとしたものの途中で失敗し、再起を図ろうと事業を継続しているうちにいつの間にか1億円を使っていたのです。

そして、私が担当してからしばらくして社長(ご主人)が亡くなり、奥さんは自分の年金だけではとても生活ができないということで、親戚を頼って引っ越しをされました。

経営相談で訪問すると、同じように夫婦で経営し個人資金を投入している企業は多い。

赤字続きで黒字の見込みが立たないけど会社を潰したくない、頑張ればいつかは黒字になるかもしれない、社長の肩書を失いたくないという夫のプライドから、自己資金で赤字補填を続けているのです。

自己資金がいくらでもあるのならそれでもいいでしょう。しかし、そうでないのならご家族も含めて今後の事を考えてどこかで決断しなければなりません。

しかし、当社に相談に来られる頃には相当自己資金をつぎ込んでいる事が多いですね。

赤字続きの経営者さんは、自社の経営状況と見通しに一度しっかりと向き合ってみましょう。もちろん決算書が粉飾されているのなら、する前の姿に戻してください。

そして自社を取り巻く環境も見てみます。現状でも赤字続きなのに、業界の規模が右肩下がりで他社よりも特に優位な面がないとしたら、今後も進む業界の縮小とともに価格競争は一層進みいずれ廃業となるでしょう。

では取引先に新たな商品・サービスを提供できるか、または新たな顧客開拓が可能なのか、今ある経営資源でそれができるか検討しましょう。しかし、本業がどうしようも行かなくなってからそのようなことを考える経営者が多いので、極めて限られた経営資源しかない状況ではそれも難しくなっているかもしれません。

社長という肩書に拘って、友人・知人そして高金利の金融会社からも資金調達し続けて廃業した企業はいくらでもあります。しかし、「どう考えても赤字から黒字に転換するのが難しい」そして「自己資金が底をついたら」等の基準で廃業を真剣に検討することも必要です。

金融機関に迷惑をかけて廃業しても今後の生活に大して影響はありませんが、知人や友人に迷惑をかけてしまうのは大きいと思います。

また、取引先や従業員のために事業を継続する事も大切ですが、ご自身やご家族の今後のことも考えてください。

最初に申し上げたご夫婦は、私よりもはるかに年上の年代でしたから、奥さんはご主人のやることに口を出すことは許されなかったのかもしれません。しかし、そのお金があれば、途中で事業を断念していれば、と今でも思い出してしまうのです。

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