業種差別への対応

以前、千葉県のある企業から相談されたときの話です。地元では結構大きな企業が倒産したそうで、取引銀行担当者の話では、その業種に対する融資審査を慎重にすべきとの方針が出され、その影響で相談してくださった企業も同じ業種だったことから、融資が厳しくなってしまったということでした。

自社はちゃんと経営をして結果も出しているのに、近くで大きな倒産があったとか、不況業種だからといった理由で、マイナスに見られてしまうのは納得ができるものではありません。当たり前のことですけど、どんな業種でも好調なところとそうでないところはありますから。

しかし、銀行としてはリスクを最小限に抑えたいと考えます。融資が特定業種に偏っている、ある業種で倒産が増加しているとなれば、慎重な対応を取られてしまうことはあるでしょう。

かなり前(10年以上前だと思います)のことなのですが、あるセミナーで東京都民銀行(現在のきらぼし銀行)の役員の方の話を聞いたことがあり、その時配布された資料に業種ごとのデフォルト率が記載されていました。不動産業が異常に増加している内容で、おそらくその頃は、東京都民銀行と取引をしていた不動産業の企業は資金調達が大変だったと思います。まあ他の金融機関でも同じでしょうけど。

ただ、そんな状況下でも融資を引き出している企業があるのも事実です。その差は何かといえば、経営内容が良好な企業ということになりますが、それ以外でいえば経営の透明性ではないでしょうか。隠し事をせずこちらから積極的な情報提供は金融機関の評価が高いです。これはすべての企業ができることです。しかし、自社の経営情報を隠すつもりはなくても、定期的に情報を提供しなければ、不況業種の中にある一企業としか見られません。

定期的に財務資料を提出するのは当然ですし、同業他社よりもどこが優位にあるのか、逆に問題をどう解決するのか、今後のどう乗り越えていくのかを資料で説明し、自社に関心を持ってもらうことです。

セーフティネット保証5号の指定業種(7月から9月)が大幅に増加しました。これは業況の悪化している業種に属する事業を行う中小企業が利用できる制度です。それだけ業況が厳しい中小企業が増えているということですから、業種だけで判断されないようにするためにも、「当社は他社とは違うよ」という姿を見せていきましょう。

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