創業融資を受ける際には事業計画書、経営が悪化しリスケジュール等の金融支援を要請する際には経営改善計画書、タイトルや目的は違っても計画書を作成しなければならない場面に出くわすことがあります。
本当はすべての企業が期首に今期の目標として経営計画書を作成し、具体策や数値目標を明確にしたほうがいいのですが、中小企業は計画書を作成していないことが多いと思います。
作成しても無駄という考えの経営者やコンサルタントもいます。確かに作成するのは手間がかかるし、計画通りに進捗しないことも多いし、それだったら営業活動でもしていたほうがいいと感じるのも理解できないわけではありません。しかし、次のようなメリットがあります。
■計画書作成のメリット
計画書は作っていないにしても、経営者の頭の中には何をどうしていこうかという考えはあるはずです。ただ、それをどう計画書に落とし込んでいけばいいか分からないから何もしないことも多いでしょう。それでは経営者の考えを従業員は理解できませんから、一体となって行動することはできません。具体的な目標を設定することで、従業員も行動がしやすくなります。
金融機関は融資先企業に金融支援をする場合、書類で審査をするのはよくご存じでしょう。いくらエリート銀行員でも経営者の話をすべて覚えておくことは無理です。企業側が作成した書類を審査し、それが上司にも回覧されます。いくら口頭で説明しても、書類を使ったほうが説得力は増します。
このように経営者が考える自社のあるべき姿、そしてそれに向けての具体策や数値計画を示すことで、従業員と目標を共有でき一体となって取り組むことができます。そして、金融機関も金融支援をすることで取引先があるべき姿に向かって進むのか、返済は懸念がないのか、計画書に基づいて審査ができます。
このようなメリットがあるため、計画書を作成している企業は業績が良くなる傾向にあります。中小企業白書2016年には次の資料があります。
計画書を作成した背景・動機は、「補助金申請で必要となった」「業績を向上させたいから」「経営状態を正しく知りたかったから」「自社の強みや弱みを知りたいから」「融資を受けるために必要となったから」と続きます。
そして、計画書を作成しているのとしていないのとでは、作成した企業は売上増加の傾向にあることが分かります。作成したことがある企業の34%が増加、減少は23.7%であり、作成したことがない企業は20.2%が増加、33.2%が減少という結果でした。明らかに差が出ています。
この調査によると、計画書を作成するのは無駄ではないといえるでしょう。
■みなさんも計画書を作ってみませんか
もちろん、作ったからといって必ず経営がよくなるわけではありません。しかし、計画通りに進んでいるかチェックし、進んでいなかったら原因を追究し、改善策を策定し、再度目標を立てて経営をしていく、その繰り返しが大切なのです。
PDCAサイクルというのを聞いたことがあるでしょう。計画を立てて(Plan)、実行し(Do)、結果を評価・検証(Check)し、改善・修正していく(Action)、という流れを繰り返すことです。計画を実行したらぜひ評価・検証を行い、計画の改善や修正を行っていきましょう。
「思うような経営結果にならない」とお悩みでしたら、みなさんも一度、経営計画書を作成してみませんか。
計画書の作成を支援した専門家への報酬支払について、国が2/3を負担してくれる制度があります。費用負担を軽くして取り組むことができますから検討するといいでしょう。詳しくは当社ホームページ「早期経営改善計画策定支援事業」を参照してください。
■中小企業の経理部長・経営者の右腕として、経営改善や資金繰り安定の支援を行っています。詳しくは当社ホームページを参照してください。
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