中小企業経営

はれのひ(株)が融資金詐取

振袖の販売・レンタル業「はれのひ(株)」が、銀行から融資金を詐取していたとして元社長が逮捕されました。

成人式での晴れ着トラブルを起こした件について、同社に客を騙す意図があったかどうかの立証は困難という報道がありましたから、とりあえずこの件で逮捕したというところでしょうか。

報道によると
15年9月期、売上高約4,800万円を架空計上し債務超過を回避
16年9月、15年9月期の決算書で横浜銀行から3,500万円借入
16年10月、社会保険料滞納が発覚
16年11月、16年9月期決算書は大幅な赤字を計上。前期の架空売上の修正をしたためで、原因を税理士の仕分けミスによるものと説明。また、毎年会計事務所を変更。

当社で資金繰りや経理に関する相談を受けていると、「税理士を変更するから経理の支援をして欲しい。そして、(当社の提携)税理士に申告をお願いしたい」と言ってくる会社さんがいらっしゃいます。

それはうれしい話ですし、当社提携税理士の方がこちらも都合がいいのですが、中には今までの税理士が企業に都合の良い決算書(粉飾決算)を作成してくれないために、変更したいという中小企業にも出会います。

粉飾には手を出さない

債務超過を回避するために架空の売上高を計上したそうですが、債務超過というのは貸借対照表の純資産の部(自己資本)がマイナスになった状態をいいます。そうなったら、廃業して資産を現金化しても、すべての負債への支払いや返済ができない状態なのです。したがって、金融機関は決算書だけで判断した場合、そのような企業への融資には消極的になります。

なお、実際には債務超過に陥っても、経営者からの借入金で資金繰りが繋がっている中小企業も珍しくはありません。

債務超過を隠すために、架空売上を計上した経験のある中小企業は結構多いかもしれません。しかし、債務超過を隠す粉飾は、金融機関の融資判断を大きく誤らせることになりますから、悪質なレベルと考えた方がいいです。

はれのひ、てるみくらぶと、粉飾決算による事件が続いています。金融機関もこのような事件による被害を受け、さらに大きく報道されることが続けば、今後は厳しい対応を取ることも考えられますから、粉飾決算での資金調達はやめましょう。

それに、確かに今でも決算書は審査上の重要な材料の一つです。しかし、金融機関はこれまで以上に今後の見通しを重視しますから、粉飾決算をして無理に過去をごまかしても意味がないと考えてください。

また、粉飾決算は現実から目をそらすことになるだけで、経営改善を先送りするだけの結果になりやすいのです。

早期に対応を

粉飾決算をする前に、決算書は赤字になっていたり、税金や社会保険料の滞納が発生していたりするはずです。さらにその前には、手持ちの現預金が少なくなってきたり、借入金残高が増加してきたりといった兆候が現れるはずです。

赤字が続いている、現預金が減っている、借入金が増えている、という傾向が出ているのなら、早期の経営見直し、そして資金調達だけでなく返済額の軽減を考えることも必要です。

そして、ついに銀行からの新規融資が困難になってきたら、「粉飾しようかな」と考えるのではなくリスケジュールを考えましょう。返済額が軽減されている間に経営改善に着手してください。

もうすでに粉飾決算に手を出してしまったという経営者さんもいるかもしれません。

・粉飾決算をしていることが知られたら、何をされるか不安だ
・これからどうしたらいいかわからない
・粉飾決算をやめて経営改善をするにしても相談相手がいない
とお悩みの経営者さんもいると思います。

当社の顧問先は、お付き合いするまで顧問税理士が主導して粉飾決算を続けていました。そして、当社がお手伝いすることになり、粉飾の実態を公開し支援を求めました。

金融機関からは特に怒られるわけでもなく、むしろ「よく公開してくれました。これからは正しい数字を報告してください。当行も応援しますから」と言ってくださいました。そして、今では金融機関の支援も得られて経営改善を行い、3期目にして黒字計上するまで回復しています。

もちろん、ケースバイケースでしょうが、このように応援してくれるケースが圧倒的に多いです。

なお、粉飾決算に顧問税理士がかなり関与している場合もあると思います。その場合、顧問税理士と一緒になって金融機関に支援を求めるのは避けましょう。粉飾決算に関与していない、第三者の専門家に相談したほうがいいと思います。その方が、金融機関側としても支援に応じやすいでしょう。

■中小企業の経理部長・経営者の右腕として、経営改善、資金繰り安定、銀行との良好な融資取引、経理業務のサポートを行っています。詳しくは当社ホームページ「サービスのご案内」を参照してください。

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