経営をしていくという事には常にリスクがつきまといます。
原因としては、新規参入業者や代替品の出現、法改正、景気動向、為替変動、新技術や技術開発等の外部環境の影響があるでしょう。そして、中小企業は大企業よりも経営基盤が脆弱ですから、赤字や債務超過になりやすいといえます。
そう考えると、金融機関が大企業よりも経営が不安定になりやすい中小企業に融資をすることは大きなリスクがあるのかもしれません。
そのために、担保や保証、そして財務データに依存した融資をしてしまうのは、やむを得ないように感じますし、そのような金融機関側の意見も分かるような気がします。私が銀行員時代はそういう考えでしたし、今でもそのような考えの金融機関はまだまだ存在します。
しかし、中小企業が事業のリスクを抱えながら経営をしている主体であり、その中小企業に対して金融面から支援するのが金融機関です。金融機関は中小企業の事業リスクの一部を負担する関係にあるといえるでしょう。
金融機関が企業に融資をしている「金融機関の信用リスク」よりも「中小企業の事業リスク」のほうが大きいといえます。
つまり、「中小企業の事業リスク>金融機関の信用リスク」となります。
確かに「担保や保証を取得する」という事で、金融機関の信用リスクを軽減させることはできます。しかし、それでは中小企業の事業リスクを軽減させることはできません。
中小企業の経営をサポートしても、直ちに金融機関の信用リスクを軽減する事はできませんが、中小企業の経営が安定・成長するという事は、中小企業の事業リスクを軽減させることになりますし、結果的に金融機関の金融リスクを軽減させることにもなるのです。
最近の金融機関は事業性評価融資というものに積極的です。
担保や保証、財務データに過度に依存せず、企業の事業内容や将来性等を評価し、融資等支援を行っていく事が求められています。
当社のお客様で5期連続赤字、大幅な債務超過で借入金過多の会社があります。
しかし、毎期赤字は減少し、今期は黒字計上の可能性が極めて高いところまで回復してきました。ある金融機関は仕入資金で支援してくれることを申し出てくれており、さらに経営改善が加速できるようになってきました。
そんな財務データだけではなく、企業の将来性を評価しての融資はいくつも出てきています。
ぜひ自社の事を取引金融機関ともっと話してみましょう。例えば、自社のニーズや課題、営業力や技術力等です。融資等の支援をしてくれれば成長できる企業であることを説明してください。
「うちの取引銀行は決算書でしか評価してくれない」と不満をお持ちの経営者さん、本当にそうであるなら、他の金融機関とのお付き合いも考えてみましょう。
金融庁も金融機関に対して担保・保証、財務データに過度に依存せず、事業性を評価する融資を認めています。
■当社でもそのような取引銀行との付き合い方に悩む中小企業のサポートに力を入れております。取引金融機関との関係を良好にし、経営改善を進めていきたいとお考えの経営者様は、当社ホームページをご覧ください。