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平成28年事務年度金融レポート

金融庁は10月25日、2016事務年度(16年7月~17年6月)の金融行政の成果及び金融機関のモニタリング結果をまとめた「金融レポート」を公表しました。

 

地域銀行全体での貸出残高は増加傾向にありますが、個人への貸出が伸びており、法人向け貸出残高増加分の多くは、不動産業やアパート・マンション向けで、他業種では横ばいというのが現状です。

 

今回のレポートでは、企業から見た金融機関の評価が初めて公表されました。

 

取引金融機関に対する企業の評価を把握するため、「日本型金融排除」が生じていないかの把握も含め、地域銀行をメインバンクとする中小企業を中心に約3万社にアンケート調査を実施、8,901社から回答が得られています。

 

なお、日本型金融排除とは、具体的には「十分な担保や保証がある、あるいは高い信用力のある企業以外に対する金融機関の支援が十分でないために、企業価値の向上が実現できず、金融機関自身もビジネスチャンスを逃している状況」をいいます。

 

アンケート結果をいくつかご紹介すると

1、債務者区分が上位の企業にはよく訪問しているが、以下の企業への訪問は少なくなります。

 

2、メインバンクは担保・保証がないと融資に応じてくれないと感じている企業は、全体の4割、債務者区分上位でも2割強あります。また、信用保証協会の利用は債務者区分上位ですと26%ですが、要注意先以下は76%まで増加します。

 

3、過去1年以内に資金繰りに困った企業が全体の2割強(要注意先以下では約半数)存在しますが、正常先では新規融資を受けられ得た割合が多いものの、要注意先以下では十分に受けられているとはいえません。

このように日本型金融排除が生じている可能性がありますが、その一方で、顧客の立場に立って支援に取り組む金融機関の事例が6つ紹介されています。

 

6つの事例を読んでみると重要なのは、次の3つになると思います。

1、提案力重視の人材育成

2、顧客企業との関係性強化

3、事業性評価に基づく支援

 

 

当然、そのような金融機関は顧客からも高い評価と信頼を得ることができますし、他の銀行よりも収益性が高いという結果も出ています。

 

行員に過大なノルマを課し、それをこなすために低金利競争での融資獲得が行われています。それにより正常先の企業は超低金利での資金調達ができるメリットはあります。しかし、それでは金融機関の体力が消耗するだけですし、要注意先以下の企業への支援が疎かになり、その結果として地域経済を更に疲弊させることにもなります。

 

法人向け融資での金利競争を避けるため、そして貸出残高を伸ばすため、カードローンやアパート・マンションローンに傾斜している現状に、金融庁は警鐘を鳴らしています。そうなると、法人顧客との関係強化による顧客目線の経営をして、中小企業への新規融資を含めた支援に力を入れていく事になるでしょう。

 

債務者区分が低い中小企業に対しても、決算書だけでなく事業性を評価し、今後の成長のために必要であれば新規の融資を実行する、そして経営改善に必要な融資以外の支援も行っていく、そんな金融機関が求められているといえます。

 

決算書が融資判断に中心であった時代から変化しつつあります。当社ではこれからの金融機関との付き合い方をサポートします。詳しくは当社HPを参照してください。

 

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