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民業圧迫

政府系金融機関である商工組合中央金庫(以下、商工中金)の不正融資問題は、報道によるとほぼ全店で関与し、関与した職員も全職員の約2割に相当する可能性があるとされています。

 

この問題について、全国地方銀行協会の佐久間会長(千葉銀行頭取)は、9月13日、商工中金が行った「危機対応融資」の3割が本来は対象外の優良企業だったことについて「まさしく民業圧迫だ」と述べました。

 

全国信用組合中央協会の渡辺会長(茨城県信用組合理事長)も、10月20日、全国信用組合大会で「民業補完に徹し、民間金融機関の手の届かないところへ融資すべきだ」と指摘しています。

 

融資の現場では、民間金融機関は民間同士だけでなく、政府系金融機関とも融資競争が行われています。そして、政府系金融機関が返済期間や金利等の条件で優位に立ち、融資先を奪ってしまう事も多いのです。

 

以前からこの「民業圧迫」というものはありましたが、リーマンショックや東日本大震災が発生した際には、民間金融機関では支援が難しい企業に対し政府系金融機関は支援を行ったことから、静観せざるを得なかったでしょう。しかし、経済環境が落ち着きを取り戻しても、融資先を奪っていく事例が多く民間金融機関の不満は多いと聞きます。

 

これは日本政策金融公庫であったことなのですが、高松支店の担当者が2012年4月以降に取引の無い企業約20社に対し、上司に無断でチラシを作成し配布していたことが7月に発覚。

 

チラシのタイトルは「日本政策金融公庫と銀行の違いはご存知ですか? 銀行・信金とはまったく違います!」、内容は銀行と公庫との融資商品の違いを説明するだけでなく、「期末のお願い・お付き合いセールスいっさいなし」「銀行の見方、格付けアップ策など、銀行がいえないこともアドバイス」と書かれているものでした。

 

民間金融機関を馬鹿にした内容にした内容に不信感を、そして積極的な営業を行っているという事に危機感が広がったのでした。

 

もちろん組織的ではなく担当者個人が行ったことなのですが、地方銀行協会と全国信用金庫協会を総裁が訪問し、経緯の説明と遺憾の意を表明するまでになりました。

その辺りから、金融界では民業圧迫の事例を収集、金融庁などへの報告や改善要請の動きが増えてきました。

 

まだ民業圧迫の事例はあるのでしょうが、民間金融機関と協調して企業や創業者を支援する動きも活発ですし、当社の顧問先の経営改善についても「銀行さんと一緒に応援します」と、メイン行と一緒に協力する姿勢でいつもいてくれます。

 

それに民間金融機関からしても、政府系金融機関を全て廃止、あるいは縮小するということは、「民間金融機関の手の届かないところへの融資」を自ら担う必要が出てきます。

 

不正融資や民業圧迫があったとしても、私たち中小企業からすると民間金融機関ではやや難しい融資案件でも応じてもらえる可能性があり、なくなっては困る存在だと思います。民間と政府系が連携してこれからも支援してくれる良好な関係を維持して欲しいものです。

 

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