亀井静香氏が引退

衆議院選挙は10月22日が投票日です。

今回の選挙には出馬せず引退をされるベテラン議員が何人もいらっしゃいますが、亀井静香氏もその一人です。

亀井氏といえば、鳩山政権時に金融担当大臣となり、中小企業金融円滑化法(以下、金融円滑化法)を成立させ、12月に施行させた政治家です。

金融円滑化法は、銀行に対して借入の返済条件変更の努力義務を求める法律です。業績の悪化した中小企業が真剣に経営改善していくのを支援するのに貢献したと思います。

実は、鳩山政権となる前(麻生政権)の2008年11月、金融検査マニュアルの改訂により「貸出条件緩和の見直し」が実施されました。それまで貸出条件を緩和した場合、3年後にその債権が正常先となる実現性の高い経営改善計画が策定できなければ、貸出条件緩和債権(不良債権)に該当するというルールでした。しかし、この時の改定により、3年という年数も原則5年(最長10年)に延長され、さらに経営改善計画が策定されていなくても、改善の見通しがあれば改善計画があるのと同様に取り扱う等、基準が大幅に緩和されたのです。

そのため、リスケジュールに応じて不良債権に該当しない金額・件数ともに増加傾向にありました。

そして、鳩山政権によって金融円滑化法は成立・施行されました。努力義務だったとはいえ、銀行にとって金融庁の存在は絶対ですから、この法律のインパクトは大きいものでした。

法律が施行されたばかりとなれば、金融検査で「なぜこの企業にはリスケに応じないのか」と指摘されることになりやすいですから、ほとんどの銀行がリスケジュールの相談に来たら原則応じることになったのです。

それによって、今までは改善の見通しが高い中小企業だけが支援を受けられていたものが、改善見通しが疑わしい場合でもリスケジュールを受けられるようになりました。

金融円滑化法はすでに終了しています。しかし、終了後も中小企業を支援していくという流れは変わっていません。

私は自社を再生させようと懸命に働いている経営者を尊敬しますし、それでもまだ業績が悪いとしてもそんな中小企業をゾンビ企業とは思いません。しかし、業績は悪化したままなのに、返済が正常な状態にもなっていないのに、「銀行は結局支援してくれるだろう」と経営改善を怠っているような経営者がいる中小企業をゾンビ企業だと思っています。

こういった法律にはプラスとマイナス面がありますが、金融円滑化法は徐々にマイナス面が目立つようになってきました。

昨年、ブルームバーグの記者さんから取材を受けたとき、「頑張っている企業はあるけど、だらだらとただ延命しているだけの企業が目立ってきた、どちらかと言われれば金融円滑化法は失敗」と申し上げました。

ただ、副作用はありましたが、最初にも申し上げたように、金融円滑化法のおかげで再生できた企業もたくさんあったのは事実です。

私は亀井氏の選挙区とは全く関係ありませんし、会った事だって一度もありません。ただ、金融円滑化法を成立させた亀井氏が引退されたという事で取り上げてみました。批判的な事も書きましたが、頑張るたくさんの中小企業支援に貢献されたと思います。亀井静香さんお疲れ様でした。

 

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