中小企業経営

ROA(総資産利益率)

ROAとは

ROAとは総資産利益率または総資本利益率ともいい、企業が持つ総資産(総資本)が、利益獲得のためにどれだけ効率的に事業に利用されているのか、企業の総合的な収益率を表す財務指標です。

計算式は、経常利益/総資産(総資本)×100で計算できます。

ここでは経常利益としていますが、当期純利益や営業利益を使ってもかまいません。分母の総資産については、厳密にいえば、期首と期末の平均値を使うのが理想的です。

例えば、経常利益が100万円、総資産が1,000万円だとします。そうするとROAは10%となります。ROAは大きいほど良いといえます。

1,000万円の資産を使って100万円の利益を稼ぎ出したという事ですから、優秀な経営結果だといえるでしょう。

もし、ROAが1%にも満たない、あるいはマイナスになるようなら、厳しい言い方になりますが、今の事業を辞めるか、金融や不動産投資でもしたほうがいいという事になってしまいます。

こちらの図表をご覧ください。

A社は総資産が600、経常利益が50、B社は総資産が1500、経常利益が100だとします。両社のROAを計算してみると、

A社は50/600×100=8.3%

B社は100/1500×100=6.7%

資産も利益も大きいB社よりも、A社のほうが事業効率の観点からは良い企業となるのです。

 

ROAを利益率と回転率に分けてみる

ROA=経常利益/総資産×100

この数式を次のように展開することができます。

ROA=経常利益/売上高×100×売上高/総資産

売上高経常利益率=経常利益/売上高×100

総資本回転率=売上高/総資産

 

ROAを上げるためには、もちろん利益を少しでも多く出すことですが、そうは簡単にいかないかもしれません。そこで、もう一つの方法としては、この数式からも分かるように資産を減らして総資本回転率を改善する方法があります。

例えば、事業に必要のない資産を売却して借入金の返済を行うことで改善されます。

また、売掛金や在庫が増えてくると、それだけ資産が増加することになります。現預金が在庫や売掛金に変化しているのですから、資金繰りに余裕のない多くの中小企業では、その分の資金調達の必要も出てきます。そうすると、売掛金・在庫と共に借入金も増えることになりますから、総資産は増加してしまいます。

在庫管理を徹底し不良在庫を発生させない、販売に長期間を要するような在庫を持たない、売掛金は回収遅れがないか管理の徹底、早期の回収ができるようにしていくことも必要です。

設備投資でも、それが本当に必要なのか、今後の経営に必要な投資なのかを十分検討する必要があります。

自社の総資産でいかに効率よく高い利益を出していくかを見ていくのに適していますから、決算書ができた時にでも過去の数値と比較してみると良いでしょう。

他の財務指標も参考にしましょう

ただ、ROAだけで企業の良し悪しを決めることはできません。

ROAは確かに大きいほうが効率の良い事業を行っていることになるでしょう。しかし、経営者が堅実な経営を行っていこうと、利益は出たけどそれによって増えた現預金をさらなる投資には使わず、いざという時のために残しておこうと考えたとします。利益は今まで通りだとしたら、総資産は膨れ上がるけど経常利益はそのままなわけですから、ROAは悪化することになります。

投資家からすると、使わない現預金をそのまま持っているのではなく、それを次の事業に投資をしてさらに利益を出せという考えになるでしょうが、銀行から借りられるときに借りて、いざという時のために預金として残しておくという考えの経営者もいます。

やはりそういう場合もROAは下がってしまいます。

ではそういう経営者は無能なのでしょうか。

私はそうは思いません。資金繰りが行き詰ったらROAどころの話ではありません。経営の安全性のためにも資金繰り管理は重要です。

1つの財務指標で企業を判断することはできません。他の財務指標を確認したり、過去の数値と比較したりしていくことが重要なのです。

 

■中小企業の経理部長・経営者の右腕として、経営改善、資金繰り安定、銀行との良好な融資取引、経理業務のサポートを行っています。詳しくは当社ホームページ「サービスのご案内」を参照してください。

 

経営上の問題は早めに改善を前のページ

領収書を買ってはいけません次のページ

ピックアップ記事

  1. リスケは経営者が動かないと
  2. 経営セカンドオピニオンは全国対応にしました
  3. 悪質な粉飾決算は絶対にやめましょう
  4. 税理士変更を検討してみませんか
  5. 会社の健康診断をしていますか

関連記事

  1. 中小企業経営

    今日は景気の悪い話ばかり

    山形県の百貨店「株式会社大沼」が破産申請しました。大沼は170…

  2. 中小企業経営

    人件費削減は最後に

    業績の悪化を理由に今までの返済が困難になった場合、まずは新たな資金調達…

  3. 経理業務

    貯蔵品に計上

    期末を迎えこれから決算書を作成していく段階になると、期末時点での商品・…

  4. ブログ

    「○○しなければならない」を捨ててみる

    私たちは子供の頃から「約束は守らなければならない」と躾けられて育ってき…

  5. 経理業務

    この経費は経営に貢献しているか

    顧問先の経理の方からお電話がありました。内容は「うちの会社は、…

  6. ブログ

    減価償却費による利益調整

    機械、車両、建物等を取得しても、購入した時に全額を経費にすることは原則…

資金繰りコンサルタントのブログとは

資金繰りや経営改善、経理業務でお困りの中小企業経営者を応援するブログです。資金繰りや経営の改善、金融機関との上手な付き合い方を中心した内容で、千葉県市川市より情報発信していきます。

無料・有料相談を実施中です。詳しくは当社HP「無料・有料相談のご案内」をご覧ください。

ピックアップ記事

バックナンバー

おすすめ記事

  1. 資金繰り

    10連休の資金繰りは余裕をもって
  2. 中小企業経営

    全金融機関から計画内容の同意が得られました
  3. エム・エヌ・コンサルからのご案内

    対応地域に関するお問い合わせ
  4. 銀行融資

    金融検査マニュアル廃止後、企業がするべきこと
  5. 中小企業経営

    伸び悩む「経営者保証に依存しない融資の割合」
PAGE TOP