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伸び悩む経営改善計画策定支援事業

以前このブログでもご紹介しましたが、「経営改善計画策定支援事業」というのをご存じでしょうか。

 

この「経営改善計画策定支援事業」は、業績が厳しいため、取引銀行の支援を得られるよう、今後の経営改善策や数値計画を提出する必要がある中小企業が活用できる制度です。

リーマンショック後、多くの中小企業が経営改善を進めるための金融支援等が必要とされましたが、中小企業の中でも特に小規模事業者については数も多く、金融機関だけでは十分な対応が困難であることから、外部の専門家である経営革新等支援機関(以下、認定支援機関)の協力を得て、経営改善計画の策定を支援する制度が創設されております。

 

経営改善支援の専門家として国が認定した認定支援機関、中小企業、メインバンクの3者が、各都道府県にある経営改善支援センターに申請し、支援が採択されるとこの事業がスタートされます。

 

採択されたら、中小企業と認定支援機関は経営改善計画の策定を行い、完成したら債権者である取引金融機関に対して計画内容を説明します。そしてその内容で同意が得られると、計画策定費用の2/3が補助されます。1/3は自己負担となりますが、専門家と時間をかけて経営改善計画を策定することができますからメリットは大きいでしょう。

 

さらに計画策定後、3年間のモニタリング(計画の進捗状況の確認や問題点の改善支援)費用も2/3が補助されます。

 

計画策定とモニタリングを合わせた費用は300万円までですが、2/3の200万円まで補助金が出ることになります。

 

しかし、中小企業庁から公表されている利用実績の推移を見てみるとそれほど利用実績は増えていません。

 

 

先月、事業再生のセミナーに参加したとき、中小企業庁から配布された資料にこの利用実績の推移があったのですが1万件をちょっと超えた位です。金融庁のまとめによると、中小企業金融円滑化法でリスケジュール等の金融支援が認められた件数は、約407万件(金額は約112兆円)で、1社が複数の金融機関に申し込んでいるケースが多い事から、およそ30~40万社の企業や個人事業主と推計されていますので、それほど利用は広がっていないようです。

 

当社も認定支援機関として、この制度を利用して現在お手伝いしている企業さんがありますが、国から補助金を頂くので、申請書類がいろいろあって結構面倒くさいと感じますし、また、リスケジュールをしてもらう程度の金融支援なら、わざわざこの事業を利用しなくても、取引銀行は支援に応じてくれることが多いですね。

 

それにこの事業がスタートした頃は、最大200万円まで補助されるという部分がやたらと強調されて、小規模企業に対しても限度額で申請する認定支援機関がいたようで、今は企業規模によって報酬が決まっています。そのため、手間がかかる割にはそれほどの報酬が貰えないこともあります。それも利用件数が増えない原因かもしれません。

 

それ以外にも利用件数が増えないのは、以下のような事が考えられます。

■経営者

・そもそもこの事業制度自体を知らない

・いくら2/3負担してくれるといっても、計画書作成に払う余裕はない

・費用と時間をかけても、どれだけ経営にプラスになるか分からない

 

 

■認定支援機関

・計画策定を支援して内容を認められたとしても、その後3年間のモニタリングがあり、計画と実績に大幅な乖離があった場合、こちらが金融機関から責められるのではないか

・時間とお金をかけて作ってみても、計画内容が金融機関に納得してもらえるだろうか

 

 

■取引金融機関

・資金繰りが苦しいからリスケジュールを依頼している企業に対して、1/3とはいえ費用負担が発生するこの事業を提案はしづらい

・計画を策定する必要性のある取引企業は多くあるけど、依頼できる専門家が限られる

・以前、専門家が策定した計画内容があまりにもひどかった

 

 

正直、当社にとっては通常の経営改善支援よりも面倒な事が多いですし、取り扱える件数も限られてしまいます。

 

しかし、良い制度であると思いますので、今後もこの制度を使って再生していきたいとお考えの経営者がいらっしゃれば、ご支援していきたいと思います。

 

 

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