起業のための内容はないのに起業家育成プログラムと称し若者に高額の受講料契約を結ばせたなどとして、福岡市のセミナー運営会社の経営者ら5人が逮捕された、というニュースがありました。起業したい人たちを騙すひどい人たちがいたようです。
毎日新聞の記事はこちらです。
私が起業するちょっと前、まだ税理士事務所に勤めていた頃、起業したいという人と名刺交換をしました。そして、その方から「経営者が集まる交流会があるので参加しませんか」と誘われて行ったことがあります。
しかし、行ってみると参加者はいるものの、ほとんどが主催会社の人ばかり。しかも、その人たちは全員が取締役でした。
今は若い人でも起業する方がいるから見た目だけで判断してはいけませんが、その取締役の人達は20から25歳ぐらいでとても若い、しかも話をしてみると経営者としてはまだまだといった感じでした。
どんな仕事をされているのか聞いてみると、ネットを使ったビジネスを展開してとにかく大きく儲けていく、新宿の高層ビルでバーを経営していく等やたらと大きなことを言います。「うちの会社はとにかくこれからとんでもなく大きくなっていく」と興奮気味に話します。
その人たちから頂いた名刺のメールアドレスを見ると、success@~ とかrichdreamer@~ と、リッチやサクセスとかが目立ち、正直胡散臭いなと感じて帰りました。
それから半年ぐらい過ぎた頃、その時の交流会参加者の1人から連絡がありました。そして、「私はあの会社の実質社長に300万円騙し取られた」と言うのです。
話を聞くと、1人300万円程度出資させ、全員取締役にして会社を作り、集めたお金から少しずつ役員報酬を支払って信用させ、かつこれから大きなビジネスをして儲けていくと洗脳して、しばらくしたら会長と呼ばれている男はお金を持って姿を消してしまったということでした。
そして、出資した人も自己資金や借金をして300万円出資すれば、自分はあまり働かず部下に任せ、優雅な生活ができると(洗脳されていたのかもしれませんが)思っていたようです。
起業するのですからお金を儲けたいというのは決して悪いことではないと思います。しかし、努力もせずに楽をして大きく儲けたいという考えの人は結構多いのですが、そういう人で成功しているのをまず見たことがありません。どうかこんな連中の起業セミナーに引っかからないようにしてください。
これから起業したいという方は、身近にいる起業の専門家に相談しましょう。もしそういう人がいない場合は、ぜひ弊社に相談して欲しいと思います。しかし、このような事件があると、会ったこともない人に相談するのが不安に感じる方もいるかもしれません。
それでしたら、日本政策金融公庫(公庫)が起業セミナーを開催したり、相談を受け付けたりしていますので、それに参加や相談をしてみてはいかがでしょうか。
また、公庫はこのグラフにあるように創業融資に非常に力を入れており、件数・金額ともに伸びています。
起業する際に資金が必要な場合は、公庫からの資金調達を検討するといいでしょう。
日本政策金融公庫のホームページはこちらです。
ここから自分はどの支店になるのか分かります。
http://as.chizumaru.com/jfc/top?account=jfc
政府系の金融機関と聞くと、何となく難しい顔をしたおじさんが出てくるのでは?と不安かもしれませんが、決してそんなことはありません。今は創業融資に非常に力を入れていますので、やさしく相談に乗ってくれると思います。