事業再生のカギは一日も早い相談

■ みなさん相談するのが遅い

当社への相談で共通していることは、みなさん相談するのが遅いということです。

今後、業績や資金繰りが厳しくなりそうだからと早めに相談して下さることは稀です。何でもっと早く相談してくれなかったのかというほど遅すぎるのです。

早く相談して欲しかったこれまでの例を少し挙げると次のようなものがあります。

・リース料の支払いが3か月滞っているので、明日トラックのほとんどを持って行かれてしまう運送会社。
・昨年資金使途違反がバレて融資をしてくれないため、日本酒の原料となるお米を仕入れることができない酒造会社。
・税金滞納の解消見通しが立たず、預金を差し押さえられてしまったイベント会社。
・赤字続きで役員報酬を満足に取ることもできない状況、しかも個人で会社に資金を投入している。しかし、それが来月で底を尽いてしまう印刷会社。

どれも原因を突きとめれば業績の悪化によるものなのですが、突然あるいは知らないうちにこんなことになったわけではありません。徐々に売上が減少し、それに伴い手持資金が減ってきた等の兆候があったはずです。

結果的にはもっと早く専門家に相談し、最善策を実行していればよかったということになります。先ほどの例なら、金融機関から資金調達あるいはリスケジュールによって資金繰りを改善しリース会社への支払いや納税を行う、販路開拓等の売上増加策を実行する等ができたはずです。「まだ何とかなるから」、「業績が悪いなんて恥ずかしくて誰にも言えない」、「金融機関に知られたら支援が得られない」との気持ちが先行してしまうのは理解できますが、問題解決を先送りする経営判断は最悪です。行動が遅れるほど対応策は減っていきます。それに経営改善に使える資金も減ってしまいます。

経営悪化に社内だけで対応できないなら外部の専門家に相談を

■専門家が指摘してくれるとは限らない

中小企業なら税理士と付き合っていることが多いでしょう。しかし、業績が悪化してかなり厳しい状況にあったとしても指摘してくれるとは限りません。多くの税理士は顧問先の経営悪化に対して指導助言をしてくれますけど。

毎月結構な顧問料を支払っているのに、帳簿付けや申告書作成ぐらいしかやってくれず、自社の現状や問題点を説明してくれないことも意外と多いのです。

事業の再生・経営の改善といったことに詳しくないこともあるでしょうし、余計な仕事を増やしたくない事情もあるでしょう。

ひどい税理士になると「いずれ倒産するかもしれないが、あまり不安にさせると顧問料を下げてくれと要求されそうだから、そのままにしておこう」という人も実際いるのです。さらに悪質だと粉飾で隠して経営は順調と説明する方もいます。

万が一、そういう税理士と付き合ってしまっていたら外部の専門家にもアドバイスを求めましょう。

■早い相談が再生のカギ

まずは、赤字が続いている、売上・利益ともに減少傾向にある、資金繰りが悪化している、そんな状況で社内だけではどうしたらいいのか分からないのでしたら、信頼できる専門家に相談して一日も早く対策を立てましょう。

早ければ早いほど体力的にも余裕がありますから、再生しやすいのは間違いありません。

とにかく早い対応がカギです。

金融庁が平成28年6月27日に公表した「抜本的な事業再生への課題について」の中に参考となる結果が出ています。

金融庁資料。業績不振の企業が初期の段階からメインバンクに相談すると再生する可能性が高い。

業績不振企業がメインバンクに相談したかという質問に、再生企業は相談しなかったと回答したのが7%しかありませんでしたが、清算企業は25%もあったという結果です。

200社にも満たない調査ではありますが、当社の経験上も間違いないと思います。早めにメインバンクや経営の専門家に相談した企業は再生の可能性が高くなります。

資金繰りや銀行融資のコンサルタントをしています。このブログではこれまでの業務で経験したことを書いています。

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