• 資金繰り・経営を改善したい社長向け

    平成27年11月から信用補完制度の見直しが議論され、平成28年12月20日に報告書としてまとめられました。そして、政府は第193回国会に「中小企業の経営の改善発達を促進するための中小企業信用保険法等の一部を改正する法律案」を提出し、平成29年6月に成立、平成30年4月1日から見直し後の制度がスタートします。

     

    中小企業庁のホームページにも好評されていますし、新制度スタートまで半年もありませんので、改めてご紹介したいと思います。

     

    ■信用補完制度の概要

    中小企業は大企業と比べて信用力が乏しく、民間金融機関からの資金調達が難しい事がありますから、資金繰りに悩む場面が多くあります。そんな中小企業を支援するため、全国51の信用保証協会は民間金融機関からの資金調達が円滑に進むよう保証を行い、返済が滞った際には、中小企業に代わって債務の支払いを金融機関に実施(代位弁済といいます)しています。

     

    現行での信用補完制度は、以下の2つの保証制度を柱としています。(各々最大2億8千万円まで)

     

    ・一般保証:

    融資額の80%を保証し、20%を金融機関が負担(責任共有制度)します。ただし、小規模事業者や創業者等に対する保証制度は100%保証です。

     

    ・セーフティネット保証:

    構造不況業種や自然災害等を対象に、一般保証とは別枠で融資額の原則100%を保証します。

     

    ■4月1日からの見直し概要

    見直しに至った経緯と理由

    中小企業への融資に地域金融機関(地方銀行、信用金庫、信用組合)は積極的だと思います。しかし、小規模事業者や創業間もない場合は信用面で弱いですし、大規模な経済危機・災害等の発生時は、金融機関も中小企業への融資に慎重になってしまいますから、今後も信用保証協会による支援は必要です。

     

    しかし、信用保証協会への過度な依存は問題点もあります。①金融機関にとっては、事業性評価融資やその後の期中管理、経営支援への動機が失われるおそれがある、②中小企業にとって資金調達が容易となるので、かえって経営改善への意欲が失われる、といった副作用が考えられます。

     

    今まで以上に中小企業の資金需要に対応するとともに、信用保証協会と金融機関が連携して中小企業への経営支援を強化することで、中小企業の経営改善・生産性向上を一層進める仕組みを構築する事が必要であるため、制度の見直しを行う事になったのです。

     

    ■見直しによる措置

     

    見直し内容について、具体的には次の通りです。

     

    1、中小企業の多様な資金需要に対するきめ細かな対応

    (1)危機関連保証の創設

    これまでにもリーマンショックや東日本大震災が発生した際には、それに対応した保証制度が実行されましたが、大規模な経済危機、災害等の事態に際し、予め適用期限(原則1年、最長でも2年)を区切って迅速に発動できる新たなセーフティネットとして、危険関連保証を創設します。従来の保証限度額とは別枠で最大2.8億円の保証を実施します。

     

    (2)小規模事業者への支援

    中小企業の中でも小規模事業者は、自己資本や担保力が乏しく、取引先の受注減等により経営状況は急変します。そして、悪化した経営を正常な状態に戻すにも長期間を要する事が多いため、民間金融機関からの資金供給が十分に行われない可能性があります。

     

    小規模事業者の持続的発展を支えるため、小規模事業者向けの100%保証の限度額を、現状の1,250万円から2,000万円まで拡充されます。

     

    (3)創業関連保証の拡充

    創業時は事業が軌道に乗るまでまとまった資金が必要です。創業チャレンジを促すため、創業関連保証の付保限度額を現状の1,000万円から2,000万円に拡充されます。

     

    (4)特定経営承継関連保証の創設

    事業承継を一層促進するため、法の認定を受けた中小企業の代表者個人が承継時に必要とする資金(株式取得資金等)を信用保険の対象とします。

     

    (5)経営改善・事業再生の促進、再チャレンジ支援等

    経営改善・事業再生を促す保証メニューを充実させるとともに、抜本再生の円滑化(求償権放棄条例の整備等)を進め、信用保証協会も経営支援を実施すべく機能強化を図ります。また、経営者保証ガイドラインの運用開始から一定期間が経過したところ、保証制度における運用を見直す等により、失敗した場合にも再チャレンジしやすく、思い切った設備投資・事業拡大ができる環境を整備します。

     

    (6)円滑な撤退支援

    経営者が撤退を決断する場合に必要となる資金(買掛金の決済、オフィス・店舗の原状回復費用等のつなぎ資金)の調達が円滑に行えるよう、新たな保証メニューを創設します。

     

    (7)信用保証協会における出資ファンドの対象拡大等

    信用保証協会が地方創生に一層の貢献を果たすべく、地域の資金需要に応えるための保証メニューの拡充に加え、再生ファンド以外のファンドに対しても出資ができるようにします。

     

     

    2、信用保証協会と金融機関とが連携した支援

    (1)信用保証協会と金融機関との連携

    信用保証への過度な依存が進んでしまうと、金融機関にとっては、事業性評価融資やその後の期中管理・経営支援への動機が失われる恐れがあるとともに、中小企業にとっても資金調達が容易になる事から、かえって経営改善への意欲が失われるといった副作用も指摘されています。こうした副作用を抑制しつつ、中小企業の経営改善や生産性向上を一層進めていくための仕組みを構築する事が必要となります。

     

    こうした考えの下で、信用保証協会と金融機関との連携を法律上に位置づけ、中小企業のそれぞれの実態に応じて、プロパー融資と信用保証付き融資を適切に組み合わせ、信用保証協会と金融機関が柔軟にリスク分担を行っていくべく、信用保証協会と金融機関との間で更なる連携を図ります。

     

    また、実効性を担保するため、信用保証協会向けの監督指針にもリスク分担について明記し、各信用保証協会・各金融機関のプロパー融資の状況等について情報開示を行うとともに、今般の改正趣旨が現場レベルで浸透しているかという視点からのモニタリングを行います。

     

    (2)信用保証協会における経営支援

    中小企業に対する経営支援業務を信用保証協会の業務として法律上に明記し、信用保証協会の経営支援の取り組みを着実に進めます。

     

    また、仮にメインバンクが十分な融資を行えない場合には、信用保証協会が他の金融機関を紹介するといった取り組みや、中小企業支援機関に資金繰りの相談がなされた場合には、速やかに信用保証協会等に繋ぐといった取り組みなど、信用保証協会と中小企業支援機関の連携による相談体制の強化を行います。

     

    (3)セーフティネット保証5号の保証割合引下げ

    中小企業の経営支援や事業転換等を一層促していくために、不況業種を対象としたセーフティネット保証5号の別枠は維持されるものの、保証割合を100%から80%に変更することとしました。

     

    なお、来年3月31日までに保証申込がなされた分については100%保証となります。

     

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