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    四国銀行(本店、高知県高知市)には、明治19年3月22日の日付が入った誓約書が至宝として伝えられています。四国銀行がまだ第三十七国立銀行の時代です。ホームページでもこの誓約書は紹介されています。

     

    数年前、四国銀行百年史を読む機会がありまして、そこにこの誓約書が掲載されていました。今日はこの四国銀行の誓約書の内容をご紹介したいと思います。

    明治時代の文章なので現代の文章に直してみました。ただ、明治時代なのでやや読みにくい箇所がありまして、間違っている箇所があるかもしれませんが、その時はお許しください。

     

    『人は天から与えられる災いや誤解によって誤りを起こす事がある。それによって法律で罪人になって罰せられ、牢獄で苦しむような事になっても良心に恥じるところがないのなら嫌がる事ではない。

     

    時代は今の世に移ったが、昔を思い出してみると、今よりも価値あるものは少ないといっても、節操、義理、道徳を守り、恥を重んじる心についてはどうであろうか。昔の方が明らかに優れている事は、誰にでも分かることである。

     

    道徳が衰えた現在のような世の中になると、ずるがしこい連中が人を騙すような事は、当たり前のこととなってしまう。実に嘆かわしい事であるが、社会一般の悪い習慣であるからすぐに正すことはできない。

     

    思うに、会社という同じ組織で働く人は、団結してそれぞれの約束を守り、一致協力して自分たちの幸福の増進を目的とするものであるから、その約束が善行を勧め、悪行を懲らし、道義を重んじようとするものであれば、法律にこだわる理由はない。

     

    銀行は貨幣を運用するという経済の重要な職務に携わっている。かつ他人の財産を管理する重責を負い、最も世間の信用を失わないように努力しなければならない。しかし、我々銀行員にも自身が管理する金銭を盗用し、世間の信用を失い、そして株主に思いがけない損害を与える者がいる。

     

    このような事を考えると、嘆かわしいと思う気持ちは怒りに変わり、非常に悔しい気持ちになるのは、会社がお互いの信頼関係を大切にしてきたからであり、ひとたび悪事が起こると憎しみの気持ちが大きく湧き起こるのである。

     

    したがって、金銭の不正行為は、社会の敵であるし、我々にとっても敵である。そこで、我々は、左のような盟約を結んで、我々の決意を表し、命を懸けて守る事を誓うものである。当銀行に従事する者は、そのような事が無いよう用心し、恐れ慎まなければならない。

     

    誓約

     

    当銀行に従事する者が、本行の金銭を盗用したり、他人の窃取の手助けをしたりしたら、私財を挙げて弁償し自刃する。

     

    明治十九年三月二十二日』

     

    そして、日付の後には三浦頭取以下全重役及び従業員23人が連署し、血判を押しています。

    四国銀行百年史には、このような誓約書は他行にもあったようですが、血判が押されたものとなると他には無いようだと書いてありました。

     

    時代が違うとはいえ、「不正を行ったときは、私財で弁償するだけでなく自害する」という内容が書かれていることには驚きます。明治に入って設立された国立銀行の大部分は、士族を中心にして設立されたことから、従業員の服務規定は厳しく武士の気質が残っていたためでしょう。

     

    四国銀行のホームページにも書いてありますが、銀行員としてだけでなく社会人としての倫理観、責任感の重たさを伝える内容といえます。

     

    今の時代、従業員にこのような内容の誓約書に署名させて、かつ血判を押させりしたら問題になってしまうでしょう。しかし、顧客や社内の信頼関係を大切にしなければならないにもかかわらず、自身の不正によって信頼関係を失い損失を与えた場合、自害するくらいの強い責任感を持って仕事を行うという姿勢は、昔も今も変わらず、そして銀行員だけでなくすべての社会人に必要なことではないでしょうか。

     

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