• 資金繰り・経営を改善したい社長向け

    私が起業直後からずっとお付き合いのあるネット関係のお客様は、顧問契約が始まった頃は年商3,000万円位でした。

     

    経費の大部分は人件費と家賃で、ネット関係の通信費がやや他の業種よりは多いものの、それ以外の経費はあまり発生しません。そして、利益の方は少し黒字です。

     

    その頃、社長は役員報酬80万円をちゃんと自分に支払う事ができました。

     

    そして、徐々に会社の規模が拡大し、売上高は1億円近くになりました。しかし、その頃になると、社長は役員報酬を今まで通り80万円計上し、利益もちゃんと出ているのですが、現金預金残高は減少し、役員報酬を全額受け取ることができなくなりました。

    なぜそうなるのかご説明したいと思います。

     

    経営者であれば運転資金という言葉を聞いたことがあると思います。

     

    運転資金というのは次の計算式で求められます。

    運転資金=売上債権+在庫-仕入債務

     

    皆さんの会社の決算書や試算表からも計算することができます。

     

    商売が全て現金取引でしたら簡単なのですが、特に法人相手ですと商取引を行ってもすぐにお金がもらえたり、支払ったりすることはあまりないと思います。

     

    信用取引によって売上計上と入金のズレや仕入計上と支払のズレが生じますし、また仕入れた商品が販売されて入金されるまでのズレというものは避けられません。そのようなズレにより生じる必要資金というものは、事業を行っていくうえで必ず必要となります。

     

    この必要資金は、事業を維持(=運転)していくのに必要なお金ということで、運転資金と呼びます。

     

    売上債権と在庫は入金を待たされている、仕入債務は支払いを待ってもらっている、という事になります。そしてその差額分がプラスなら、その分だけ企業は資金繰りが苦しくなるのです。

     

    具体的な数字を使って説明したいと思います。

     

     

    1、年商が3,000万円のケース

     

    年商が3,000万円ですと、平均月商は250万円となります。

     

    売上債権は月商の2ヶ月、在庫は1ヶ月、仕入債務は1か月あるとします。

     

     

    このように入金を待たされている金額は750万円、逆に支払いを持ってもらっている金額は250万円となり、その差額である運転資金500万円分だけ資金繰りが苦しくなります。

     

     

    2、年商が6,000万円のケース

     

    年商が6,000万円ですと、平均月商は500万円です。

     

    年商3,000万円の時と取引条件に変化はなく、売上債権は月商の2ヶ月、在庫は1ヶ月、仕入債務は1か月あるとします。

     

    運転資金はこのように1,000万円となります。

     

    取引条件が変わらないと、売上の規模が2倍になれば、運転資金も2倍となるのです。

     

    このように、経営が順調に行っているからといって、資金繰りの悩みから解放されるかというと、残念ながらそうとは限らないのです。

     

    最初に申し上げた当社のお客様も同じで、売上が増加するにつれて運転資金が拡大し、社長の役員報酬は計上しても、実際には取らないことで資金繰りを調整していました。

     

    業績の拡大とともに資金需要は活発となりますから、資金繰りにはより注意が必要です。そして、業績アップにより運転資金が増加することに注意しましょう。

     

    だから、(取引先との関係もありますが)資金繰りだけを考えると、入金は早く、支払いは遅くが理想的ですし、在庫も早めに販売できる商品と数量を考えて仕入れる必要があります。

     

    銀行にとっては、業績アップにより運転資金が増加するのは取り組みやすい融資ではあります。ただ、確実に取り組んでもらえるためにも、説明資料として資金繰り表は必ず作成するようにしてください。

     

    ■中小企業の経理部長・経営者の右腕として、経営改善、資金繰り安定、銀行との良好な融資取引、経理業務のサポートを行っています。詳しくは当社ホームページ「サービスのご案内」を参照してください。

     

     

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