• 資金繰り・経営を改善したい社長向け

    最近、あるお客様の経営改善を支援しているのですが、その関係でトラック運送業についてちょっと調べてみました。

    業界を取り巻く環境というのはこんな感じでしょうか。

     

    ■規制緩和により事業者数は1.5倍に

     

    平成2年の貨物自動車運送事業法施行以降、規制緩和によって新規参入業者が急増(20年間で1.5倍以上)しました。しかし、国土交通省が新規参入時の許可基準厳格化や事前チェックの強化などを段階的に勧めた結果、25年度から新規許可事業者数が2年連続で約1割減少するなど、事業者数の増加には歯止めがかかっている状態です。さらに、ここ数年は撤退する事業者も増加し、全体の業者数はほぼ横ばいです。

     

    そして車両が20台以下の事業者が全体の8割を占め、小規模事業者が多いといえます。

     

     

    ■低い価格水準

     

    参入業者の増加、物流量の減少トレンドから価格競争が激化していました。そして、荷主への価格転嫁が難しい業種であることから、運賃の低下が続いていました。

     

    減少トレンドにあった物流量が増加に転じたことや、ドライバー不足もあり運送単価は一部で改善が図られつつあるものの、全体としては依然低い水準といえます。

     

     

    ■規制及び管理強化の方向へ

     

    この業界は規制や管理が厳格化される方向にあるといえます。

     

    トラックや長距離バスによる高速道路等での事故が頻繁に発生してしまったことから、規制や管理が強化される方向にあるのがこの業界です。

     

    規制強化、ドライブレコーダーや排ガス規制対応等の設備投資、そして長時間労働の抑制強化によって、対応コスト負担も増加するでしょう。しかし、それらのコスト増加を、同業者間での競争激化により、荷主への負担が簡単ではないと考えられます。

     

     

    ■設備投資が大きい

    当然ではありますが設備投資は多額になります。トラックといっても大きさや設備によって様々でしょうが、標準的な大型トラックは1台1500万円~2000万円でしょうから、購入する負担は大きいでしょう。そのため、自己資金や銀行からの資金調達で購入するだけでなく、リースを利用しているケースも多いかと思います。

     

     

    ■今後も厳しい経営が続く

    原油価格は低く落ちついていますし、物流量の増加が続いたとしても、人手不足や長時間労働抑制から人件費の上昇、あるいは庸車が増加するでしょう。しかし、荷主に負担してもらうのが難しいケースが多く、かつ規制への対応もあることから、コスト上昇によって今後も経営は厳しいとみられます。

     

     

    銀行も運送業に対しては、このような見方をしています。

     

    このようにトラック運送業界を取り巻く環境、そして収益面で厳しいという認識で間違いないでしょう。

    規制や法令違反が目立つような融資先には、融資も否定的になることが考えられます。したがって、飲酒運転や駐車違反を行わないように定期的に教育を行っているか、そして長時間労働にならない対策を取っているか等もチェックされる可能性が高いですし、やっておくと銀行からの評価は得られるのではないでしょうか。

     

    運送業への融資というと、運転資金もありますが、トラック購入を目的とした設備投資資金がメインとなるでしょう。厳しい経営環境からリースを利用することも多いかと思いますが。

     

    設備投資の場合の返済原資は、通常でしたら「利益+減価償却費」と考え、返済能力を審査します。

     

    しかし、減価償却費については返済原資には含めずに考えることが多いでしょう。なぜなら、トラック等車両については、定期的に買い替えることが必要であることから、この減価償却費は銀行への返済分と考えるよりも、新しいトラックを購入するための再投資分と考える方が普通だからです。

     

     

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