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    国の影響を受ける銀行の中小企業支援

     

    銀行の中小企業に対する姿勢は国の影響により変化するといえます。

     

    なぜなら、銀行業は許認可事業であるため、銀行経営の運営や方向性は国の方針に従わざるを得ない立場にあるからです。

     

    したがって、国の中小企業支援施策によって、銀行の全体的な動向は把握できるといえます。

     

    かつては銀行が中小企業への融資を審査する際、決算書等の財務内容だけではなく、返済実績、経営者の資質や個人での取引、事業内容等を総合的に勘案して判断していました。

     

    しかし、平成11年に金融検査マニュアルが制定され、銀行は財務数値を重視して格付けを行うよう金融庁(当時は金融監督庁)から求められたのです。財務体質のぜい弱な中小企業にも適用し、債務者区分を厳しく評価した結果、中小企業の多くが融資取引に悪影響を受けることになってしまいました。

    中小企業は大企業に比べると財務基盤が弱く、赤字決算や債務超過になりやすい特徴があります。そのため、財務数値を重視した格付けを行うと低格付けになってしまいます。

     

    それによって、今まで普通に取引をしていたのに低格付けを理由に、金利引上げ、新たな担保提供、プロパー融資では対応せず保証協会付き融資の利用推進、借入金過多を理由に返済を強いる等が発生し、貸し渋りや貸し剥がしが問題となりました。

     

    これに対し金融庁は、平成14年に金融検査マニュアル別冊「中小企業融資編」を発行し、財務面にはあらわれない中小企業の強み(例、営業力、技術力、経営者能力等)を評価するよう求めましたが、財務重視の姿勢に大きな変化はなく、中小企業は資金調達に苦しむことになったのです。

     

     

    近年は中小企業にとってプラスとなる施策も

    2009年12月、中小企業金融円滑化法(以下、金融円滑化法)が施行され、リスケ要請に対して積極的にそして柔軟に対応するように銀行に強く迫りました。問題点がとても多い金融円滑化法ですが、中小企業がリスケジュールを申請しやすい環境になったことは間違いありません。

     

    2014年2月からは経営者保証ガイドラインが施行、経営者保証に依存しない融資の推進、保証債務を履行するときは適切な回収に留め、経営者に再チャレンジの道を残す等を求める内容となっています。経営者保証を求めない(保証をはずす)流れはこれからも浸透していくことでしょう。

     

    金融円滑化法や経営者保証ガイドラインといった、銀行自身が不利になるようなことを自主的にやることはありません。国が働きかけたからこそ銀行も対応をしているといえます。

     

    2013年9月からは中小の融資先に対する信用格付けは、各行の判断を極力尊重するルールに変更されています。決算書の数値が悪くても、企業の将来性が十分見込めると評価できるのであれば、融資を実行しても問題ないのです。

     

    これからは過去の決算書といった財務数値のみならず、事業性評価といって企業の事業内容や業界の成長性から企業の将来性を重視する傾向にあります。金融庁は銀行が融資先企業の事業に対する理解を深め、積極的に融資をしているか、そして問題を抱えた企業の解決のために支援をしていくことに期待をしています。

    しかし、中小企業がよく利用する信用保証制度が改正されます。信用保証協会は銀行に対して、もっとプロパー融資で対応するように求めてきますから、中小企業にとっては厳しい改正となります。

     

    したがって、中小企業は銀行からプロパー融資でも対応してもらえるよう、少なくとも自社の将来性を経営計画書等によってアピールし、進捗状況を定期的に報告するような(積極的な)行動が求められます。

     

    昔から最近までの銀行の中小企業支援の動きを見てきました。よく銀行員の対応が変化したと言う経営者さんがいますが、銀行員が対応を変化させるのには国の中小企業支援策、金融施策が大きく影響していると理解する必要があるでしょう。

     

     

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